上手な「たとえ話」をできるようになるには?
「わかりやすい説明」をしていたときの質疑の時間に、
「わかりやすい説明をする人って、たとえ話上手じゃないですか。
上手なたとえ話をできるようになるコツってありますか?」
と聞かれたことがありました。
私は、
「うーん、たしかに、的確なたとえをすると、話って覿面にわかりやすくなります。
ただ、たとえ話って、抽象度高くて、すごく難しいんですよ。
同じ構造の、見た目違うものをもってこないといけないので、
まず、これとこれが同じ構造か、が見えてないといけないし。
それに、たとえ話って、的確じゃないものでたとえちゃうと、
余計話がこんがらがって、逆に分かりづらくなるリスクもあるので、
『あ!このたとえぴったり!』
っていうものが浮かんだときはそれを話せばよいと思いますが、浮かばなかったら、普通に結論から話す型でお話するのがオススメです」
とお答えしたのですが、
とはいえ、
「上手なたとえ話ができるようになるには?」
というテーマはどこかにぶらさげておりました。
で。
私は、プロ奢ラレヤーさんが好きなのですが、(彼の言語化能力とんでもないです。ほんと好き)
プロ奢さんが視聴者さんと質疑応答する動画で、まさに「わかりやすいたとえ話をするには?」というテーマがあって、お!と思って拝聴しました。
質問「賢い人とか、話がわかりやすい人って、たとえ話がうまいと思うんですけど、プロ奢さんってよくたとえ話をするじゃないですか。たとえ話って、話していることと、全然違うできごとを引っ張ってきたりするじゃないですか。それが全然できなくて。思いつかないんですよ。」
プロ奢「たとえ話、どうすんの?って話ね」
質問「そうですそうです」
(いつも思うのですが、「質問」→「(プロ奢さん)質問の要約」→「回答」の流れがほんときれい。よくあんな短時間であんな的確な要約できんなって感嘆する)(この質問者さんの質問はわかりやすいですが、質問者さんによってはほんとにぐっちゃぐっちゃな質問することもあって、それを的確に要約してると、すげぇなこの人って思います)
プロ奢「たとえ話ってね、なんかそういう、今言ったみたいに、即席でできるものだと思っているのかもしれないですけど、あのね、違うんすよ。そう見えちゃうんですよ。わかります?えっと、つまり、順序が逆で、誰かとお話しています。わかりやすい説明をしようと思って、たとえ話を考える、じゃなくて、まずね、見えてるんすよ。あ、これってあれみたいだなって思ってんの。なんとなくね。ぼやっと。あれに似てるなーとか、言わないけど思ってるんすよ。ね。そのときに、じゃあ今必要だな、たとえ話っていうか、わかりやすい説明が必要だなって思ったらそれを出すだけなのよ。僕はまず見えていて、それを別に言う必要ないときは言わないし、必要になったら出す、みたいな。
なので、これは、たとえ話をうまく考えるようになるには、じゃなくて、まずいろんなものを見て、いろんなものを、こういうものだなと解釈して、保存しておかないと、見えてこないんすよ。わかります?保存されていくものだから、その場で急に出ちゃうのよね。だから、一朝一夕じゃできないっていうか、そういう性質のものじゃなくて、今までずーっと蓄積してきたらあるものが出ちゃうっていう。なので、出なかったら、それは、いろんなものを見てきてない、あるいは、似たようなものを見てきたんだけど、スルーしてきた、だけっていうことなので」
すばらしすぎて拍手。
うん。たとえ話って、その場で考えるのすごく難しくて、ストックないと無理、と私も感じていました。(さらに言うなら、ストックがあっても、「聞く相手に伝わるたとえ話か?」というところまで考えないとたとえ話の意味なくなっちゃうし。野球知らない人に野球でたとえても、ポカーン、なんです)
「たとえ話」は、難易度高い技術ですが、
できると強力な武器になる。
そのためにはストック貯めておく必要がある。
私も、意識して「たとえ話」のストック貯めよう、と思います。
※「たとえ話」は難易度高いので、この講座では扱いません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?