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しんと、凛と。
昨夜、アラームをすべて解除してふとんに入った。
贅沢なことだ。
目が覚めると、カーテンを透かしてもう明るい光が入っていた。
ひとりで起きて、コーヒーをいれる。
本当はフレンチトーストにしようと思っていたのだけれど…みんな知らず待てず、最後に一枚残った食パンを焼く。こっそりはちみつとバターをじゅわじゅわにのせて食べる。
今日は午後の方が忙しそうなので、昨日の夕方に図書館に行ってきた。
昨日はこの冬いちばんじゃなかろうか、というような寒い寒い日で、山は真っ青だった。
どうして寒く曇った日はあんな色になるんだろう、怖いほどに深く静かな青だった、と思い出す。
借りた本は3冊。
向坂くじら「ことぱの観察」
西加奈子「わたしに会いたい」
梨木香歩「家守綺譚」
昨夜、西加奈子さんのいくつかをぐいぐいっと読んでガツンと殴られたような状態で寝て、今朝はコーヒーを飲みながら、「ことぱの観察」を読んでいた。
おもしろい。言葉の定義についての話なのだけれど、向坂くじらさんの心のうちがおもしろくて、それでいてすごくわかるわかる!となって、予想外に泣けてきた。
「やさしさ」の定義とは。
そして、ふと目に入る朝の光の中のチューリップ。
我が家に来て11日めのチューリップ。
この花のまわりには、思わず息をのむような静かな空気がある。しんとして、凛とした。
きゅっと固くむすんだ蕾がほわほわとほころぶと、徐々に花びらが透き通るようなみずみずしさをたたえ、それはまるで飴細工のよう。やわらかいのに作り物のようで。甘くて、触れるとぱりん、と割れちゃうんじゃないかと思う。
光を透かしているのか、それとも内側から光を放っているのか……やわらかな光を含んだその花びらの重なりは、本当にいくら見ていても飽きない。
ため息が出るような美しさ。
さ、動こう。
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