水曜日、小さな旅のような。
不思議な1日だった。
小さな旅に出たような、珍しい水曜日の休日。
ここのところ、ひたすら睡眠だけを頼りにしてやってきたけれど、ちょうどずっと行きたくて行けていなかった友人の店に行ける、と思った。(水曜日しか会えないから。)
久しぶりに、1時間弱電車にゆられて。
ガラガラの普通列車は自分だけの空間のようで、ただぼんやりと外の景色を眺めて、それだけで私には非日常な時間。
青い空、鮮やかな緑。
住宅街、ぶどう畑、りんご畑、湖。
駅に着いて、約束の時間まで少しあったので、歩いてみる。
途中でおばあちゃんに道を聞かれたりして、私もはじめてですと言いながら、Googleを頼りに案内したり。
はじめて歩く場所は、うれしい。
小さな路地があちこちにあって、静かな佇まい。
目星をつけていたパン屋さんを見つけたので、ひと休み。
ひとりカウンターに座って、外ザクザク中もっちり、な台湾ドーナツを齧りながら、ぼんやり見慣れない景色を眺める。
そのあと、すてきな雑貨やさんで、アジサイモチーフのポストカードを3枚買う。
奥のカフェのランチの美味しそうな匂いがただよってきたけれど、もう時間です、またいつか。
友人のお店での目的は、はじめてのよもぎ蒸し。
夏なのに、ストーブをつけた部屋で、身体の中から蒸気で蒸されるのだ。
それなのに、ただほかほかとあたたかく、ふわりといい香りに包まれて、すっぽりかぶったマントの中の身体は気持ちのよい汗をかく。
終わったあと、クーラーもつけていない部屋なのに、不思議と汗はすっと引き、ただ心地よい脱力感。
ふわふわ身体が軽くてとろんと溶けそう。
終わったあとにいただいた野草茶もおいしくて、身体にじんわりと染み込んでゆく。
よもぎ蒸し、いいですよ。
実は、その友人との会話の中で偶然名前が出てきた人が(仕事でつながりはあるが、私は面識はなし)、偶然同じタイミングでその店に現れてびっくり(お店のことは偶然昨日知ったばかりらしく)、すぐ隣の麻婆食堂でランチするとのことだったので、合流してから友人はまた仕事に戻り、初対面の私たちだけでごはんを食べる、という不思議なことになった。
麻婆豆腐も元気の出るおいしさだったし、彼女たちも元気をもらえるような素敵な人たちだった。
私には、そんなふうに新しい人とのつながりをつくる機会がほとんどなくて、だから、なんだかそんなことも含めて、日常からすこし離れて小さな旅をしたような気分だったのでした。
(そういえば、写真一枚も撮らなかったな。)
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