歪みのはじまり4〜人間ピラミッド前編〜
前回までのあらすじ
行儀良く育った僕は、教室の椅子を踏みつける彼女たちを許せなかった。
注意しても「出しっぱなしの椅子邪魔だもん」と僕を言い包め、その後も椅子を踏み続けたなるみちゃん。
放課後、机を踏み歩いて遊んでいたななみちゃんとさくらちゃん。
そんな彼女たちに『汚される側の気持ち』を分からせるべく、僕はなるみちゃんの椅子を踏みつけた。
しかしその間にななみちゃんに僕の椅子が踏まれてしまい「なるみの椅子踏んだらダメだよ」と理不尽な注意をされてしまう。
更にさくらちゃんには、僕の100点のテストをくしゃくしゃに踏まれてしまい、恋心と共にプライドを汚されてしまうのだった。
ここまで何も出来なかった僕は、運動会で最大級の屈辱を受けることになるのだったー
人間ピラミッド
運動会のプログラムに、毎年6年生は組体操が組まれていた。
僕は組体操が大嫌いだった。
背が一番高いが故に、何をするにしても支える側で、同性の男といえども踏まれるのは嫌だったからだ。
しかし僕らの代は、ただの組体操では終わらなかった。
とある日の体育の授業。
体育館で『全員ピラミッド』の練習をすることになった。
初めて耳にした『全員ピラミッド』とは、90人近くいる同級生全員で1つのピラミッドを作るというものだった。
(そんなことが可能なのか…?)
(全員となると男女の配置はどうなるんだ…??)
僕の不安は置き去りにされ、練習はすぐに始められた。
できれば辞退したかったが、そんなことをただの一生徒ができるわけがなかった…
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