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【emolで学ぶ ちょこっと心理学】心理的柔軟性【第2回】

こんにちは!emol work心理チームの小澤です。
前回ACTに関係のある「関係フレーム理論」についてお話しさせていただきましたが、今回はACTに重要な「心理的柔軟性」について複数回にわたって話しさせていただきたいと思います。

心理的柔軟性とは?


ヘイズらによると心理的柔軟性は「『今この瞬間』とあるがままのものとして接触しながら自分の価値のために行動を維持・変化させていくこと」としています。

簡単にいうと自分を受け入れながらも今の自分がどうであるかを見つめ、自分がどうでありたいかを考えることができる状態を指しています。
この心理的柔軟性には6つのコアプロセスと呼ばれる中心をなすものがあります。

①「今この瞬間」への柔軟な注意
② 文脈としての自己
③ 脱フュージョン
④ アクセプタンス
⑤ 価値
⑥ コミットされた行為

今回はこの6つの中でも「今この瞬間」への柔軟な注意と「文脈としての自己」に注目していきたいと思います。

「今この瞬間」への柔軟な注意

私という主体と感情や思考が別のものであると認識し、自分自身に今起きている現象に目を向けていくことを促すものです。私たちは言葉や思考によって過去を評価し、それによってしばしば囚われてしまいがちです。

しかし今自分が感じている感触や音に注目し、今の自分がどうであるのか、何を感じているのかを自らの言葉でリアルタイムに記述していくことで思考の中の自分と今の自分は同じではないということに注目させます。

これができるようにすることで例えマイナスな思考に陥った時でも「今の自分は違う」という意識を持ちやすくなり、ストレス低減につながります。

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実際にemol workでもマインドフルネスという「今この瞬間」に注目する手法があるのですが、これを行うことでより今に柔軟な注意が向けられやすくなります。

マインドフルネスでは触覚や聴覚などの感覚に注目し、今湧き上がっている感情に目を向けやすくします。

上でも話をしたように「思考の中の自分と現実の自分は同じではない」ということを知った上で実践するとより効果が見込めます。

文脈としての自己

「『今この瞬間』への柔軟な注意」をさらに高めたものが「文脈としての自己(もしくはプロセスとしての自己)」となります。

少し感覚的な話になってしまうのですが、自分の思考の中にある「私」という概念的な自分を客観的に体験すること、つまり「『自分は今〇〇という考え』方をしている自分」を俯瞰的に捉えることです。

これは様々な心の揺れ動きがあってもそこから俯瞰して捉えることで、より自分の状態を柔軟に捉えることができるため心理的柔軟性を高めると言われます。

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上の図で考えると右下にいるロクが「自分は『あわわ』していたり『気分がすぐれない』自分もいたりするなぁ。でもよく見ると『ギャハハ』と楽しそうな自分もいるなぁ。」と捉えることです。

もちろんこの思考の中は状況やタイミングによって刻一刻と変化するのでその度に変わります。

この話は前回で話をした関係フレーム理論と大きく結びついています。
私たちは例えば「自分=ダメ」といった関係を思考の中で無意識のうちに構築しています。
そして二者の等価関係の中で「ダメ」というマイナスなイメージが等価関係で結びついた「自分」にも影響を与え、「自分」というものがマイナスなイメージを持つものとなってしまうことがあります。

(厳密にはこの関係が成立するものは等価関係だけではないのですがここでは省略させていただきます。)

しかしこの流れに自分で気がつくことで「自分=ダメ」という関係を変えることはできなくてもそればかりに囚われることがなく他の側面にも目が向けられるかもしれません。

私たちはよく自分自身の囚われに苦しみます。「自分は昔〇〇であったから」
「自分はダメ人間だから〇〇できない」というふうに自分を自ら規定して縛り付けてしまいその自分に苦しむことは稀ではありません。
しかしその囚われから解放し、自分を少し離れた視点から見ることができることで結果的にストレスコーピングにつながります。

ここまで心理的柔軟性の中でも2つを取り上げて説明致しましたが興味を持っていただけましたでしょうか?

自分も仕事や学業で期限ギリギリになってしまった時や思った評価が来なかったりすることが結構ありますが、その時はやはり自分の中で「やっぱり自分ダメだな」とかなり落ち込んでズルズル行ってしまうことも多かったです。

しかしこの考えを知った後では、失敗した後でも「いや、確かに自分はダメかもしれないけどもしかしたら本当はそうでもなくてもっとやれるのかもしれない」と考えられるようになりました。

結果的に反省はしっかりしつつ「次はここを直そう」と前向きに考えを切り替えられるようになったのでこの考えは面白く効果的であるなと感じています。

次回は心理的柔軟性から脱フュージョンとアクセプタンスについてお話しさせていただきたいと思います!

ここまで長文読んでいただきありがとうございました!




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