2. PMDDって。
月経前不快気分障害は、比較的新しい病気だ。
推測するにおそらく、ずっと昔からPMDDに相当するような症状を呈する人はいたのだと思う。
ただそれが、精神疾患として、定義づけされただけのこと。
女性も働くのが普通、というよりも人間働くことが求められて、否応なしにストレスにさらされるようになって、体内のホルモン動態が安定しなくなってしまったのだろう。
なんとも人間のメス型の体は脆弱なのだろう。
精神疾患は、心の病気といわれるけど、私はあまりそうは思わない。
心が何かっていう話をしだしてもしょうがないので、割愛する。
心が感情によって決まるものであるなら、感情というものは単に、セロトニンやオキシトシンというような感情を司るホルモンが、分泌されたりされなかったり、受容体があったりなかったりするだけのことだと捉えている。
つまり、精神疾患は体内の内分泌、ホルモン分泌の病気であると私は思う。
だから、心が弱いとか、メンヘラとかそういうつかみどころのない感覚の話ではなくて、ストレスなどの何らかの原因によって、ただ体内のホルモンがちょっと正常に出ていない、もしくは働いていないっていうだけの話なのではないか。
精神疾患になったからって、自分を責める必要は全くない。
そう思うだけでも、たぶん体内のホルモン動態は正常と呼ばれる状態に近づくはず。
私はずっとそう思って、治療してきた。
幸運にも、今の時代に生まれて、薬が何種類か開発されていた。
ホルモンの病気であるから、科学的なプロセスを辿れば、つまり、薬で解決できるはずなのである。
そしてさらに幸運なことに、薬がよく効いてくれた。一旦人生の全ての活動を止めて治療していたけど、それもあって半年もかからずに、普通というような状態まで回復した。
周りの人の助けと、薬の力を借りて、体の中の小さな、ごく少量のホルモンたちと、その受容体を正常な状態に近づけることに成功した。