両親とも毒親でした②
「父が暴力を振るう人で苦しめられた」
「母は私の人格を否定してばかりいた」
深い話をするようになった人から、そういった告白を聞いた機会は少なくない。
子どもに暴力を振るう配偶者を止めないことは、
子どもへの間接的な虐待ではない、とは言いきれないと思う。
でも、両親ともが攻撃的なタイプで、
それぞれが直接的に子どもを傷つけてくるとなると、
状況はさらに厄介だ。
私の両親は、その厄介な組み合わせの人たちだった。
暴言が、左右両側からスピーカー音声で聴こえてくる。
どちらかに痛めつけられても、
もう片方が守ってくれることはない。
精神的にも肉体的にも逃げ場がなく、
「すべて私が悪い」ことにしないと収まらなかった。
だから私は、生きのびるために、
諸悪の根源は自分であることにした。
お父さんが手をあげるのも
お母さんの機嫌が悪いのも
うちが貧乏で物が買えないのも
お父さんの仕事がうまくいかないのも
お母さんが近所のおばさんに嫌味を言われるのも
妹が約束を守らないのも
ぜんぶぜんぶぜんぶ
私が悪い子だからです
ごめんなさい
お父さんとお母さんの子どもが
私みたな人間でごめんなさい
もっと頑張るから
もっといい子になるから
何でも言うこと聞くから
だから許して
捨てないで
嫌わないで
お前なんかいらないって、言わないで
当時はもちろん、自分が生存のためにそういう選択をしたという仕組みなんて、分かっていなかった。
ただ、
「私には価値がない」
「私は愛されない存在」
「生きているだけで人に迷惑をかける」
という信念が、人格形成の過程で深く刷り込まれていった。
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