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終わりはいつも突然やってくる?
起業してから今まで、仕事について「何かはじめよう」と思うときは、いつも突然だった。思いついてからは猪突猛進。なるほど、生まれ年が亥なだけあるなと毎回思いながら突き進んできた。
それとともに「これをもう終わりにしよう」と思う時もだいたい突然で、朝シャワー浴びてる時なんかにふと思いつく。ふっと湧いてくる、という感じに近い。薄暗い雑木林の中にポツンと目立つ新芽が生えるような。わたしはその感覚をとても大事にしている。
でも、実はそのひらめきに近い感情になる前に、たくさんの思慮が必ずあるんだと思う。日常的にいろんなことを観察し、考え、原因を推測している。気付かぬうちにこういうことを重ねていて、突然「答え」が出現するのだ。答えと書いたけど、これが「正解」かどうかはわからない。自分の中で「これで大丈夫」と思えたら、勝手に正解ということにして、前に進むしかない。(ちなみに自営業・フリーランスで仕事をできるかは、この「勝手に正解」を自分で決めれるかどうか、ということなんじゃないかと思う。)
ということで、今日勝手に正解を出したわたしは、駄菓子屋さん(と言っても、運営しているコミュニティスペースの一角の駄菓子コーナー)を閉じることを決め、1月末に売り尽くしセールをすることをWebサイトで公表した。売り尽くしセールは、2025年1月27日(月)~1月30日(木)店内の駄菓子をすべて半額でご提供し、残った駄菓子で賞味期限が寄付の基準をクリアしたものについては、いちかわフードバンクbyフリスタに寄付する。
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駄菓子屋をやってみてよかったことは、今までお店に縁のなかった子どもたちや親子連れがきてくれるようになったことや、駄菓子を通じて新たなコミュニケーションが生まれたこと。コミュニティスペースがやっている駄菓子屋ということで、面白がってもらえたこと。そして、駄菓子屋を見つけたことで、楽しい気持ちになった人がちょっとだけいたこと、などだろうか。
いい面はたくさんあったが、うちの店では十分な販売量を確保することができず、賞味期限切れで廃棄してしまう駄菓子が多く出てしまった。夏は駄菓子の管理のためだけに冷房をつけ、多くの電気を使うことで環境にもよくなかった。総合的に見て、今後の継続は難しいと感じていて、今日、ようやく閉じることを決心した。
終わりはいつも、寂しさが伴う。そこにあったものがなくなる喪失感。それは、大事にしていればしていただけ感じるものだと思う。でも、終わらなければ、はじまりもしない。人間の身体が新陳代謝するように、いろんな事柄も生まれ変わっていけばいいさと、寂しさにそっと蓋をして、顔を上げて歩いていく。