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【沖縄移住まで残り63日】畑さん、大変お世話になりました!①
引っ越しにあたり、2022年2月からお借りしていた畑をオーナーさんにお返しすることになりました。
プランターの植物さえすぐに枯らしてしまう程の全くのど素人が、「楽しそう!美味しそう!」という想いだけで始めた家庭菜園。母の無謀な挑戦に付き合ってくれた、3年分の家族との想い出が詰まった大事な土地に感謝を込めて、整地してお返しすることにしました。
そこで、全2回にわたりファミリーファームの3年間を振り返ってみたいと思います。
畑を始めようと思ったワケ
・おばあちゃんとの出会い
娘が小学校に上がり、私は毎日途中まで登下校に付き添うことになりました。通学路は田んぼと畑が広がる静かな道で、千葉に引っ越してからすぐに田園風景が好きになってい私は、朝のひとときがとても気持ちよく、娘と話しながら歩く時間が楽しみでした。
その通学路の途中に、とても大きくて綺麗な畑がありました。80を超えるおばあちゃんが毎朝畑に出て、元気に丁寧に野菜を育てていたのです。私が「おはようございます!」と声をかけたところから、そのおばあちゃんとの交流が始まりました。毎日の登下校の付き添いで顔を合わせる度に、色々と声をかけてくださって、子供達のことも気にかけてくださいました。
夏になると手に余るほどのきゅうりやピーマン、ナスをくださったり、冬になると抱えきれない程たくさんの大根や小松菜、ほうれん草を分けてくださることも!
青々として、綺麗で大きな野菜を「持っていきなー」と言いながら、嬉しそうに収穫するおばあちゃん。
その採れたての野菜の美味しいこと!みずみずしくて、野菜の味がしっかりして、そしてなんといっても無農薬で安心して食べられます。
80歳を超えても、毎日元気に畑仕事をしているおばあちゃんの姿に感動して、いつしか、私も自分で野菜を作ってみたいなぁ、と自然と思うようになりました。
・食糧危機という情報に翻弄されて…
ちょうどそのころ、SNSでは食糧危機という情報がちらほらと散見されるようになりました。コロナ禍から何か社会が変わりつつある、と思い始めた人達が一気に発信し始めていたように思います。
私もそういう情報に触れ、本当に食糧がなくなってしまったらどうしたらいいんだろう…と不安になってしまいました。
でも、見渡せば稲作が盛んな地域で、土地もたくさん余っている。おばあちゃんは今日も美味しいな野菜をたくさん作っている。
「私も自分で野菜を作ってみよう!しかも始めるのは今しかない!」
そう思い立ちました。
思ったが吉日。すぐに動き出したくて、ウズウズ。
夫に相談したところ快諾してくれて、すぐに義父に「畑貸してくれる人誰かいないかな?」と相談してくれました。
しばらくして、義父が同じ町内会の方に繋げてくださり、「使っていない土地があるけど、そこでも良ければ」と快く貸していただけることになりました。
しかもその場所は、偶然におばあちゃんの土地からすぐの場所!!
子ども達の下校も見守れるという、最高の立地でした。
借りた畑は耕作放棄地!
お借りした土地4mX5mほどの広さ。蓋を開けてみると10年以上手付かずの耕作放棄地でした。草刈りは年1回くらいされていたようですが、土の中は触られてなく、茅、ススキ、葦、スギナなどの地下茎が密集していました。
本当にこの土地で知識も経験もない私が畑なんてできるのかなとも思いましたが、未知の世界に挑戦できる!というワクワクした気持ちがどんどん湧き上がってきました。
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「好きな広さだけ使っていいよ」と言ってくださいました
オーナーさんが、「使いやすいように、耕運機でうねっておくね」とおっしゃってくれて、3月になったら畑を使えることになりました。しかも、使ってくれるだけで助かるとおっしゃってくださり、無償で。
今思うと無謀とも言える挑戦でしたが、挑戦するには本当に最高の環境と条件で始めることができました!
※「うねる」「うなる」…千葉のこの辺りの方言なのか農業用語なのかわかりませんが、おそらく畑を耕すという意味です。
ど素人主婦、家庭菜園にハマる
4月に入り温かくなってから、いよいよ畑作業を開始しました。鍬は義父がプレゼントしてくれました。
オーナーさんがうねってくれた後の畑は、だいぶ土が見えるように。しかし、ここから地下茎との仁義なき戦いが半年以上にわたり繰り広げられました。
耕運機でバラバラになった根っこたちが、細いのから太いものまで、たくさん埋まっています。鍬で一振り耕す度に、ザックザク根っこの山。丁寧に取り除いて行きました。
体力だけは自信があります!こいういった作業に集中すると、いつもはうるさい思考が鎮まっていきました。
鍬を振っていると、亡くなった沖縄のひいおばあちゃんやじいちゃんのことをふと思い出しました。畑作業をしている姿は見た事がないのですが、なぜか自分の姿を重ねることができて、安心した気持ちになりました。
そうだ。私には、あの逞しいオバア達の血が流れている。何があっても、どこに行っても、絶対大丈夫だ!!
そんな勇気も湧いてきました。
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畑の師匠(おばあちゃん)が腰を抜かして驚いていました
この土がどうやったら豊かな土に変わるのか。そう考えながら、本や動画で夢中になって情報を集め、すぐに実践してを繰り返していたら、土を触るのが本当に楽しくなって、あっという間に畑活にハマってしまいました。
家族で育てた野菜たち
初めての苗の植え付け、施肥、支柱立て、雑草取り、摘心、脇芽かきetc. 全ての作業が新鮮でした。植物も虫たちも生きている!!自然の生命に触れることで、私もどんどん元気になって、家族に対してイライラすることも減ってきました。
初めはすぐに飽きていた子ども達も、野菜が成長するにつれて畑で過ごす時間も長くなり、自分達で勝手に色々な発見をするようになりました。
トマトやきゅうり、ピーマンの収穫はお手のもの。土だって、虫だって、へっちゃらで触れるほどに。
祝✴︎ビギナーズラック!
気がつけばあっという間に夏なり収穫の時期。
ビギナーズラックで、初めての年は大収穫の年になりました!
自分で育てた野菜を、初めて収穫する喜びといったらありません。味も本当に格別でした。ピーマンはたった3株で、ひと夏で使うには十分な程大量に収穫することができました。
当時小学2年生の娘は、ミニトマト、きゅうり、オクラの夏野菜サラダを自分で開発して家族に振る舞い大満足な様子。
野菜ができる様子も、驚きの連続でした。花ってそうやって咲いて、花の後にはこうやって実ができるんだ〜。なんていうことが何度もありました。本で読むのと実際見るのとでは、感じ方も全く違います。
瓜科の花、トマトの花、ナスの花、じゃがいもの花。色んな花がありますが、中でも好きなのはオクラの花。上品な可愛らしいのに、花に近づくと葉っぱの棘が刺さりまくって、痒い!なんじゃそりゃ!
自分で育てなければわからないことがたくさんありました。
野菜の命に触れて
私たちが普段「野菜」としてスーパーで見ているあの姿は、成長の一つの過程であって、まだ命は続いているということにも気がつきました。
収穫せずにほったらかしておくと、別の食べ方ができるものも!
特に、白菜の菜の花を食べた時の感動は格別でした。植え付け時期が遅くて結球させるのに失敗したことを、農家さんに話した時に、「3月になったら菜の花ができるから、それを楽しみにしておくといいですよ。甘くて美味しいですよ」教えてもらい、そのままにしていたら、本当に美味しい菜の花がたくさん取れました。今では大好物!
家庭菜園は、私の日常を本当に豊かにしてくれました。それまでは思いも至らなかったことに気がついたり、新たな発見がたくさんあったり、自分の育てた野菜を調理するようになったことで、料理に興味を持ったり、「自分の育てた白菜でキムチを作ってみたい」などの夢ができたり。
野菜作りの難しさや楽しさに触れて、すっかり魅力にハマった1年目でした。
自然農法や菌ちゃん農法との出会い
2年目に入り、YouTubeで家庭菜園の情報を集める中で、海外のYouTuberの動画も見る機会が増えました。その中で、雑草をマルチとして使う方法を知り、雑草を抜かずに生かすという共生的な農法があることを知りました。
調べてみると、もちろん日本でも実践している方がいて、それが「自然農」と呼ばれるものだと知り、早速書籍を購入して、勉強しながら実践を繰り返しました。
畑の雑草を抜いているとき、なぜか申し訳ない気持ちになって「ごめんね、あなたも生きたいんだよね」と草に話しかけたりしていました。ふと目に留まる雑草の小さな花が綺麗だったりして、このまま残したいなと思うこともありました。
でも周りの畑を見渡すと、雑草はほとんどないところばかり。草取りは欠かせない農作業だとばかり思っていました。
動画や写真で自然農の畑を見たとき、草花と野菜が一緒に育っている光景が「美しい」と感じました。この光景を自分の畑でも実践してみたい!
そう思って、早速取り入れてみました。
その結果、2年目の収穫量は格段に減りましたが、草マルチを少しめくるとたくさんの虫がいたり、1年目とは違う草が生えていたりと、畑の中に生態系が形成され、土壌が豊かになっていっているのを感じました。
野菜や草、虫や土が喜んでいるように感じることも。虫嫌いの私が、こんな気持ちになるなんて…
自分の変化が面白い!と思いました。
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2023年の秋には菌ちゃん農法も学び、3年目の畑活に向けて、家族総出で新たな土地を開墾しました。
だいぶ長くなりましたので、菌ちゃん農法への挑戦とビニールハウス大作戦、そして急な畑じまいのストーリーについては、次回お届けいたします。