『続 氷点』三浦綾子 #22-2
前読んだ『氷点』の続き。
前作がキリスト教の原罪に関して扱ったとしたら、今回の本は「許し」について扱った物語。
印象深かったのは、「愛とは意志である」という文。
私は愛とは感情だと思っていたのだけれど、「感情だけが自分とは思われなかった。知性も意志もまた自分なのだ。知情意の総合された人格が自分なら、北原を愛することは、もはや偽りとは言えなかった。」という箇所を読んで考えが少し変わった。
最後に、陽子が恵子に電話をする場面が一番好きな場面。
結局陽子が恵子に電話をかける場面で終わり、その後どのような話をするかは描かれていないけれど、「会話は話し足りないくらいが丁度良い」という言葉があるように、暗示程度で終わる物語が良いものだと思った。
あと、生活感情という言葉を新しく知った。
精神年齢とはまた違う言葉で、より細やかな表現だと思った。