雨の日には扉を閉めて。
雨がしとしと降っております、関東も梅雨に入りました。
書店有給休暇オープンから2ヶ月が経ち、おかげさまで少しずつ落ち着いてきた感があります。
まだ、クラファンのリターン準備なども継続してやっていますが、昨秋に物件を取得してよりの怒涛の大渦の中から、ちょっと顔を出したという気配です。
なにしろ、同時進行でやることが多く、いろいろな方に助けてもらいつつも、頭の中のタスクが常に限界値を振る形で何本も立っているようで、なかなかハードな日々でした。
実は最近、新しい悩みがありました。
それは、6月に入ってからのこと。
4・5月は新しくできたお店ということでいろいろな方が覗いてくださったため、嬉しい悲鳴ではありましたが、店内が常に賑わっておりました。
しかし、6月に入って台風が来たり、毎日雨がそぼ降るようになると、客足が急に減ってしまいました。
私が前職でリサーチかけていた市場では、2月と6月は売り上げが減少するというデータがありました。
2月バレンタイン後は閑散期で時々どか雪も降る、6月は雨が降っていてシンプルに人が来ない。
2月はともかく、6月の梅雨は自然現象なのでコントロールしようがない一面があったものです。
最近、お店近隣のお客さまが言われていたのですが、「国立の人は風が吹いたり雨が降ると家から出ないのよ」と。
どれだけ広く浸透している話かは分かりませんが、たしかに通りを見るとそんな気配はします。
晴れの日は多くの方がお散歩したり、雑貨屋さんやカフェ巡りにふらりと歩きやすい富士見通りなのです。
あー雨が降っている、今日はもうだめだ。
最近は朝起きて、カーテンを開けたときに雨が降っているとうっかり思ってしまいます。
今日はもう、自分のアトリエで作業の感覚でお店を開けよう、誰か来てくださればラッキーと割り切ろうとは思うのですが、雨の日にわざわざ傘を畳んで本屋に入ってきてくれる人は本当に限られています。
加えて、私自身が雨や湿気に異常に弱い。
頚椎ヘルニアがじわじわと痛むうえに、髪質が水を吸いやすいのでしっとり重くなります。
雨の日は、本当はただじーっと。一歩も出ずに家の中にいてすごしたい派です。
・・・なんてこったという、そもそもの話ですが。
そういえば、会社員時代にしんどかったことの一つが、雨の日の出社でした。雨が降ろうが槍が降ろうが、8時には出社していました。
今回に限っては、自ら選んだ道とはいえ、雨の日に傘をさしつつ電車に乗ってお店まで歩いて、首肩が痛いなあと思いつつ全身が湿気にまみれた状態でオープン。
そして、なかなかお客さま来ない、という流れは、地味にメンタルにきます。
ある日、開店早々にZoomでの打ち合わせがあり、雨音が大きかったのでいつもは開け放しているお店の扉を閉めました。
扉を開けていないと入りにくいかなと思い、オープンの4/6から黄砂がひどい日も果敢に開け放していたのですが、この日はことのほか雨量が多かったので便宜上閉めました。
そして、打ち合わせを開始したのですが、まずその間にお一人ご来店。その後も一人また一人と入ってこられたのです。
扉を閉めていた状態でも、むしろ通常よりお客様が入ってこられました。
そして、不思議なもので私もいつになく、落ち着いて店内でのオンライン打ち合わせを終え、その後の仕事を進めることができたのです。
雨の日にちゃんと守られている場所にいる、一枚、扉があるという安心感が、私の心を落ち着かせてくれたようです。
店主の心の落ち着かなさというか小さなストレスは、それとなくお客様に伝わるのかなと感じました。
晴れの日には扉を開けて、雨の日には閉めて。
そんな営業スタイルも、悪いことではないのかもしれないと感じた出来事でした。
“季節の本屋さん”における、よりよい本の選定に使わせていただきます。