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家が欠陥住宅だったら…『そのマンション、終の住処でいいですか?』原田ひ香


『そのマンション、つい住処すみかでいいですか?』

単行本



あらすじ

有名建築家けんちくかによる一等地いっとうちの中古マンション。
誰もがうらやむその家はしかし、とんでもない欠陥住宅けっかんじゅうたくだった!

上手くいくはずの改修工事は、新旧しんきゅう住民の様々な思惑おもわくからみ合い、
混沌こんとん様相ようそうていしていく。

デザイナーズマンションに人生を振り回された人々の胸中きょうちゅうにあるのは
幸福か、絶望か、見栄か、プライドか。


誰もが身につまされる、つい住処すみか巡るめぐ大騒動だいそうどう


《 登場人物 》
小宮山こみやま 悟朗ごろう・・・問題マンションを設計した天才建築家。亡き後、このマンションで住人騒動が起こる。
小宮山 みどり・・・悟朗の一人娘。
父から相続したマンションの権利を放棄する。

市瀬いちのせ きよし・・・大学時代、秘かに小宮山悟朗に憧れ、建築の世界を目指していた。しかし、卒業後は理科教師に。小宮山デザインに何らかの敵意をもっている。

岸田きしだ 恭三きょうぞう・・・小宮山悟朗の愛弟子あいでし。現在は、小宮山デザインの社長に収まっている。
岸田 香子きょうこ・・・岸田の妻。何度もデザイン事務所に訪れる市瀬をうっとうしいと思っていたが…

奥村おくむら 宗子むねこ・・・元女優で、マンションに住む住人。欠陥住宅の建て替えに反対する、その理由とは?




「おっぱいマンション」と呼ばれて…

天才建築家の小宮山こみやまが設計した、
東京の一等地・赤坂に建つマンションは、
斬新なデザインで、当時は話題が大きく、雑誌の表紙にもなった。

屋上だけ、2つの円すい形で横に並んで突き出ていてる。まるで女性のバストのようだと、
「おっぱいマンション」と呼ばれるようになる。

しかし、このマンションは、
デザイン重視により、雨どいを付けなかったため
雨漏りはするし、カビも生えるという欠陥住宅だった。

それどころか、もっと知られてはいけない
重大な秘密が隠されていた。



亡き天才建築家と欠陥住宅にふりまわされる人達

小宮山 みどり・・・“ やっぱり父が嫌いだ ”
市瀬 清・・・・“ 絶対に許さない ”
岸田 恭三・・・“ 建て替えは阻止しなければ ”
奥村 宗子・・・“ マンションに居続けることができるかもしれない ”



ガヤガヤの住人会議

建て替えを出張する人、
歴史的建造物として保存すべきと主張する人、
会議中の様々な意見の対立に
解決策がみえない。

そんな中、小宮山みどりの発言
マンションは、建て替えになる方向で
決着がついたとみえたが、、、



それでも、なぜか進まない現実

一度は、
住民の建て替え賛成多数で決まったものの、
反対派の住人が、ある行動を起こす。
そりにより、一年が過ぎても、
マンションの建て替えが進まないという状況に…

そんなことがあるのかぁ、、、
これが一軒家だったら、
マンションの住人や世間の声など、
気にすることなく
さっさと建て替えはできるし、
賃貸だったら、即、引っ越しできるのに。。。

物語とはいえ、
マンションの建て替えは、
なかなか前に進まないことも
現実的に世の中にあふれているのでは
ないだろうかと思ってしまった。

こんな解決の糸口がみえない状況になった時、
わたしは、引越すだろうか、
それとも、あきらめて住み続けるだろうか…


最後までお読みいただき、
ありがとうございます。


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