【写真日記】富山ドライブ旅②高岡の国宝・瑞龍寺を参拝&美味しいものに舌鼓
富山県のドライブ日帰り旅・後編です。
氷見市の道の駅にて、海の幸てんこ盛りの美味しいランチをいただき、近くの公園で潮風にあたりながら、ボーと日本海を眺めた私たち。
身も心もスッキリしました。
◇前回のお話◇
さて、車に乗り込み、高岡市に戻ることにしました。
次の目的地は、高岡山瑞龍寺。
高岡市内にある国宝のお寺で、加賀藩前田家との縁が深い古刹です。
前から一度行ってみたかったのですが、なかなかご縁が無くて…(泣)。
今回、ようやく念願叶いました。
高岡山 瑞龍寺
氷見市の「道の駅」から、またもと来た道を戻って能越自動車道に入り、高岡市へと向かいます。
高岡インターチェンジで下りて、瑞龍寺へと進みました。
途中、瑞龍寺の参道(「ここ車で走ってもいいのかしら?」と思うほど、立派な参道でした)を通り、お寺の駐車場に無事到着したのでした。
ドラえもんが運転席に⁉瑞龍寺の送迎バス
そんなに広くない駐車場の一角に、青と白と赤の派手なボンネットバスが停まっているのを発見。
車中を覗いて見ると…。ドラえもんーー!
ここ高岡市は、藤子F不二雄先生の故郷で、高岡市内にはドラえもんのオブジェが至る所にあります。だから運転手はドラえもん??
ちなみに、このバスは、(後で調べてみたら)瑞龍寺の送迎バスでした。名前を「利長君号」というそうです。
えっ?利長君号??(←思わず二度見)
利長君って、もしかして…加賀藩二代目藩主・前田利長公のことですか⁉😲
古刹なのに、このノリは一体…(汗)。
いざ境内へ。瑞龍寺の歴史と総門(重要文化財)
さて、駐車場のすぐ近くにチケット売り場があり、そこで拝観料を支払いました。大人一人500円なり。
総門の横に立てられてあった説明書き。
ここでちょっと歴史のお話をひとつ。
この瑞龍寺に祀られている加賀藩二代藩主・前田利長は、前田家初代・前田利家の息子にあたります。
利長死後、二代目として家督を継ぎますが、利長には息子がいなかったため、晩年、利長の異母弟である利常を養嗣子に迎えて家督を譲り、隠居しました。
隠居後は、越中の富山城を改修して移住し、城下町の整備に尽力しますが、富山城が大火で焼失したため、一時、魚津城で暮らした後、高岡に新たに城(高岡城)を築いて居住しました。しかし病に倒れ、ここ高岡にて死去します。享年53歳。
戦国の世から江戸幕府の開幕という波乱の時代を渡り歩き、加賀百万石の礎を築いた利長公への恩義を感じていた利常は、当時の名匠に腕を振るわせ、この寺を築いたのでした。
この総門は正保年間(1644年~1648年)に建てられたそうです。
山門(国宝)
最初の門「総門」をくぐると、目の前に荘厳な世界が広がっていました。
総門から山門までの間が、とにかく広いです。
この瑞龍寺は、奥へ向かって「総門」「山門」「仏殿」「法堂」と順番に一直線に配列されてあり、左右には「禅堂」と「大庫裏」が置かれています。この配置は、伽藍と呼ばれていて、中国の寺院建築の様式です。この「伽藍」というスタイルは、鎌倉時代に広く日本に広がったものだそうです。
隅々まで手入れが行き届いているからこそ醸し出される端正な美しさ。そこはかとなく漂う気品。重厚かつ荘厳な佇まい。
加賀藩の文化の高さと財力、そして、圧倒的な強さをまざまざと見せつけらたような気がしました。度肝を抜かれました。
◇
さて、山門の近くへ行ってみましょう。
…と、ここで、団体ツアーと合流してしまいました(汗)。
団体を案内しているお坊様(写真左)が、とても丁寧に解説していらっしゃるので、私達もそのまま一緒にお話を聞かせていただきました。
門の左右には金剛力士像が安置されていて、楼上には釈迦如来と十六羅漢が祀られているとのこと。いやはや、この山門、すごいのなんのって、大工の腕の高さがビンビンと伝わってくる見事な建築でした。
ところで、このお坊様、話がメチャメチャ面白いんですよ。
知識が豊富で、今の社会情勢も織り込みながら、わかりやすくユーモアも添えて、滑らかに流れるように話されるのです。
私と夫はこの団体ツアーとは全く関係ないのに、このお坊様の話から耳が離せなくなっちゃって、引き寄せられるように、皆さんに混じって一緒に話を聞きいて回りました。
結局、このまま偽ツアー客になりすまし(汗)、最後まで皆さんと行動を共にしたのでした。(どうもスミマセン…)
山門をくぐると、緑鮮やかな美しい芝が目に飛び込んできました。
次に現れた建物は仏殿です。
仏殿(国宝)
青々とした芝を横に見ながら、仏殿へと歩きます。
さて、仏殿の前でも、またまたお坊様のお話が始まりました。
いやはや、面白過ぎーー!
裏話やら、諸説やら、時々、モノマネも入り、現代の風刺も入り、オチも入る。とにかく話が上手い!巧すぎるー!
このお坊様、相当、頭の切れる方とお見受けしました。
神トーク。いや、ここはお寺だから仏トークかな(笑)。
ちなみにこの仏殿の屋根は、鉛板で葺かれているそうです。
これは全国でも他では金沢城石川門のみ。
この瑞龍寺を手掛けたのは、利家公の代からの信任も篤かった当時の名匠・山下善右衛門嘉広で、特にこの仏殿は、善右衛門が最も心血を注いだ力作の一つなんだとか。
仏殿の中に入り、そこでも説明を受けました。
総欅造りで、釘は一本も使われていないという建物の中は、本当に立派で素晴らしいです。白木の内部は、仏教寺院というより、神社のような清廉な雰囲気です。装飾品も、さすが加賀藩だな…と感じさせる品の良さ&優美さ。今も充分素敵なのですが、創建時は、今より更に美しかっただろうな…と思いました。
お話の後、順番に仏様に手を合わせてお参りしました。
法堂(国宝)
仏殿を出たら、つぎは法堂へと進みました。
法堂が、この寺院の中で最も大きな建物なんだそうです。
総檜造りで、天井までの高さがかなりあり、とても立派なものでした。
中に入ると、正面中央の内陣には、前田利長公の大きな位牌が安置されてありました。
ここでも、お坊様の素晴らしい解説を一通り聞かせていただきました。どれも「なるほどなぁ~」と唸ることばかり。
次に、内陣横に祀られてある烏瑟沙摩明王像の前へと移動し、そこで最後のお話をいただきました。
…とまぁ、ここでお聞きしたことを詳しく書いちゃうと、ネタバレになっちゃうので😅、是非、現地で直にお坊様のお話をお聞きくださいませ(笑)。本当に素晴らしいガイドでした。
ここで、お坊様の案内は終了。
団体ツアーも、これで一時解散→自由行動になったので、私達も、皆さんとは離れ、寺院内を自由に散策することにしました。
石廟(県指定文化財)と茶室
法堂からのびている回廊を歩いていたら、外に出られる戸口がありました。
案内板があり、一般客も自由に出られるようなので、ちょっと行ってみることにしました。
◇
外に出て少し進むと、石でできたお堂が並んでいるのが見えました。
パンフレットを読んで調べてみたら、これらは石廟でした。
手前の廟から、前田利長公、利家公、織田信長公、同室正覚院、織田信忠公が祀られているとのこと。
◇
この石廟の横には、茶室がありました。
今は使われていない雰囲気。
茶室の他に、この庭を眺めるような形で、昔ここで野点をしたと思われる設備が残っていました。
もしかしたら、前田家ゆかりの方々が、供養でこの寺を訪れた折に、ここで一服されたのかもしれませんね。
回廊を歩く
帰りは、回廊を通って戻ることにしました。
回廊の中ほどにある「禅堂」の前に、お魚が一匹。これは禅宗のお寺でよく見かけるもの。
お腹のえぐれ具合から、長い年月使われてきたものだとわかります。
烏瑟沙摩明王
回廊を歩いていたら、法堂に祀られてある烏瑟沙摩明王様のレプリカに出会いました。
法堂にある木造の烏瑟沙摩明王立像は、 同寺最古の室町時代以前の制作といわれていて、国内最大級の仏像(高さ117cm)だそうです。前田家より寄進されたといわれています。
一方、上の写真の烏瑟沙摩明王立像は、高岡銅器製のレプリカで、2011年に作成されました。高さは約140cm。本物より少し大きめです。当初は彩色はされていなかったようですが、再現された立像の色彩画を元に、2021年に漆や金粉などを使って色鮮やかに着色されました。昔の本物も、このように美しく色鮮やかだったようです。
◇
烏瑟沙摩明王(は、トイレを守護し、不浄を清めてくださる神様です。
この夏、私も夫も体調不良&メンタルダウンでいろいろ大変だったので(汗)、私たちの中にある不浄を清めてもらおうと思い、瑞龍寺のお札を購入しました。
◇
とてもありがたい気持ちになって、私たちは瑞龍寺の総門を出たのでした。
麒麟茶屋で一休み
帰路に就く前に、総門を出たところにあるお茶屋さんで、一休みすることにしました。
なんと、ここは瑞龍寺さんが開いたお店なのです。
ということで、購入。
「大納言あずき」と「くるみ黒糖あん」を一個ずつ買い、夫と半分こずつ分けて実食。これはうまい!
コーヒーもとても美味しかったです。
実は、瑞龍寺さんの法堂内にある売店でお買い物をすると、この麒麟茶屋さんの割引券がもらえるんですよ。お札やお香立て等、いろいろ購入したら、茶屋の案内と共に割引券をいただいたので、早速使わせていただきました。
別腹のおやつを食べて、身も心もすっかり満足。
◇
こうして私たちは、車に乗り込み、富山を後にしたのでした。
あっという間の日帰り旅でしたが、美しい風景を楽しみ、美味しいものを食べて、思いっきりリフレッシュできました。
番外編~富山の手土産・美味しいもの~
記事内でご紹介できなかった「美味しいもの」を、ここでお披露目します。
ます寿司
鹿の子餅
瑞龍寺の売店で見つけたこのお菓子。試しに買ってみました。
家に帰ってからも、富山の美味しいものをいただいて、しばし旅の余韻を楽しんだのでした。
(終わり)
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