見出し画像

高齢になるということ⑤

軽い気持ちで書き始めた『高齢になること』。 介護に関する出来事を、思いついた時に忘れないよう備忘録のつもりで書いてみたら、意外と多く読まれていて驚いている。なんだか連載みたいになってきたので、せっかくだから、このまま続けていきたい。

前回の記事

気が付けば、今年も残り2週間ほどとなった。
さすが師走だけあって、月始めは温かくて穏やかなお天気だったのに、先週あたりからぐっと寒くなり、雪が降るようになった。
この辺りは雪がたくさん降る上に、真冬の気温は氷点下が当たり前。すごく寒い土地である。雪が降れば、連日「雪かき」をしなくてはいけない。
しかも我が家は北向きなので、冬はメチャメチャ寒い。玄関先は建物の陰になって陽が届かないため、一度凍みると、春まで氷が解けないこともある。
こんな寒い所に住んでいるのだけど、今までの義母は、家の中では(歩行器を使えば)自由に歩き回れたし、生活全般の自立はキープできていた。だから、それほど不便を感じず、何とかギリギリ暮らせていた。
しかし、今年に入ってから脚がさらに悪くなり、これ以上悪化させないために「歩くこと&立つこと」を全面禁止することになった。こうして8月以降、車いすでの生活である

車いす生活も、いろいろ気を遣うことがあり(スロープの設置など)それなりに大変ではあったけど、夏から秋にかけての過ごしやすい時期だったので、家の中の移動も自力でできたし、私たちが介添えしなくても大丈夫だった。施設から自宅へ、自宅から施設へと移動する際の送迎時も、わりといいお天気の日が多くて、雨に降られることもなく、とてもスムーズだった。

ところが…、である。

12月も半ばを過ぎると、いよいよ冬の到来である。
前回の帰宅時は、家の前にうっすらと雪が積もっていた。まぁ2~3㎝程度の、雪国の人から見たら、そう大したことのない可愛い降り方である。
だけど、送迎車から玄関までの間の約1mくらいのところにも、雪が積もっている。積雪は少しの量であっても、車いすの走行の妨げになる。
そこで早速、今季初の雪かきをした。
せっせと雪をかいて、家の前をきれいにしておく。そんなに大した量じゃないから、あっという間に終わったけど、作業をしながら、ふと「これが通常の雪の量だったら、送迎車が入ってこれるよう雪をかくのに大変な労力が要るなぁ…」と思った。

あと、我が家は昭和の日本家屋だから、家内も結構寒い。
帰宅時に義母が使う居間や寝室は、石油ストーブをガンガンに焚いて温かくしているけど、トイレへと続く廊下が寒い。トイレも(南向きなので晴れた日は太陽の光が入って温かいけど)、夜中や雪の日はしんしんと冷えて寒い。そんな寒いところを、義母が車いすを手でこいで通っていくわけで、(ちなみに義母はトイレの失敗はなく、オムツは使っていない。自分で排泄ができているので、本人の気持ちも考えて、私たちは極力手を出さないようにしている)、これからますます寒くなっていくんだけど、トイレが近い義母は大丈夫かなぁ…と心配だった。

そこに、年末年始がやってくる。
今回は本人の希望もあり、12月30日から1月3日までの5日間、自宅に帰ってくることになった。この間、車いすの義母を家に残して出かけるわけにはいかないので、ずっと家に居なくてはいけない。3度の食事とおやつの準備、自宅風呂の入浴介助、その他さまざまなお世話をしなくてはいけない。

ここから先は

2,813字

¥ 500

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは旅の資金にさせていただきます✨