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【体験レポ】初めてでも失敗しないトルティージャの作り方を研究してみた ♯トルティージャ100

人生初のトルティージャに挑戦

「トルティージャ」という言葉を初めて聞いたとき、正直「えっ?それって何?」と思った。

トルティージャとは、スペインの卵料理で、日本だと「スペイン風オムレツ」とか「スパニッシュオムレツ」とも呼ばれている。

あぁ、あれか~!スペイン風オムレツなら私も知っている。

日本でも以前からよく作られてきた料理だ。

もっとわかりやすい言葉に置き換えれば、「具入りのオムレツ」のことである。

これは、お弁当のおかずにも使える料理なので、本屋に並ぶレシピ本にもよく登場していたし、雑誌のレシピコーナーなんかで私も時々目にしていた。もしかしたら、これをお読みの皆さんも、ご自身の人生のどこかで、この料理にチャレンジされたことがあるんじゃないかな?と思う。

でも、私はそれほど料理が得意じゃなかったし、何より「ひっくり返す」の失敗率がべらぼうに高かったので、この手のオムレツを作ったことは一回も無かった。

ただ遠くから「うまそうだなぁ~」と指をくわえて眺めているだけで、「私が作る」という発想は1ミリも無かった。

ところが…である。

今回、私はこちら(下)の企画に参加させていただくため、この「トルティージャ」を作ってみることになった。

スペイン在住のHARUCOさんの企画【トルティージャ祭り】

私は昨年の第1回目のことは知らなくて未参加だったけど、皆さんが作る美味しそうなトルティージャの写真や記事をたくさん見ているうちに「私も作ってみようかしら」という気持ちになった。

よし、この勢いに乗っかって、私もチャレンジしてみよう!

HARUCOさんのレシピはこちら⇒https://note.com/viveahora/n/nf2f9c0b344f7


「失敗しないトルティージャ」を目指して、事前研究

実際に作る前に、まずは作り方を改めて確認し、この料理のキモを研究してみることにした。

「トルティージャ祭り」に参加されている他のnoterさんの記事を拝読して研究してみたところ、この料理のポイントは

①焦がさない(卵を)

②焦げ付かせない(フライパンを)

②ひっくり返す

この3点らしい。確かにこの3つは、私が料理をするにあたって、一番苦手であり「失敗の原因」にもなっている鬼門である。

どうしたら失敗しないで、うまく作れるのか?

更に調べてみる。

トルティージャを作る際、フライパンに具入りの卵液を流し込んで焼く。

具をたっぷり含んだ卵液を焦がさず中までしっかり焼くのは、料理下手にはかなり難易度が高い。ここは肝要だな。

ちなみに、早く火を通そうと火力を強くすると、フライパンに面した卵液が黒く焦げてしまうだろうし、また、焦げを恐れて火力を弱くし過ぎると、端の卵液がしっかり固まらず、ひっくり返す時に大惨事を引き起こすらしい。

…ということは、弱火でもしっかり火が届く熱伝導が良いフライパンを選ぶのがコツなんだな、なるほど。 

更に、もう少し突っ込んで「フライパン」について考えてみる。

普通に炒め物をしている時は良いんだけど、トルティージャのように「片面を焼いて、ひっくり返してもう片面を焼く」という料理をする場合、フライパンに具が焦げ付いて引っ付いてしまうと、つるんときれいに剥がすことができず失敗して大破する。この手の大事故を何度も起こしてきた私は、ドキリとする。そうなんだよ。フライパンに具がこびりついてしまうと、ひっくり返すとき、ぐちゃぐちゃになり大惨事になってしまうのだ。

この状態を避けるためには、どうするといいのか?

焦げ付き&こびり付きをカバーする道具…、つまり、こびりつかないフライパンが必要ということだ。つるんと気持ちよく焼けるもの…これが大事だ。

また、トルティージャはひっくり返す際に、大きい皿を当ててひっくり返し、皿に卵焼きを移動させてから、今度はその卵焼きを皿からフライパンに滑り落として入れる…という方法を用いる。

つまり、フライパンの直径が大きいと、卵焼きの直径も大きくなるから、ひっくり返す時の難易度が一気に上がる。熟練者は大きめのフライパンでもバッチリいけるだろうけど、私のような素人の場合は、扱いやすいサイズ=小さめのサイズにしないといけない。そうなると、トルティージャ用のフライパンは小さめに限る…となる。

しかし、我が家には小さめのちょうど良いフライパンがなかったので、これを機に新しく購入することにした。


トルティージャ用の新しいフライパン

あまり立派なものでなくて良いから「弱火でも熱伝導がよくてふっくら焼けるもの」。また、ひっくり返す時に便利なように「小さめで軽いもの」を探してみる。そして、買ってみた。

今回私が選んだのはこれ…。どん!

20cmのマーブルコーティングのフライパン

「熱伝導が良すぎるので、中火以上では絶対に使わないでください」というものだ。弱火スタートでOKなので、これなら料理下手の私でも、焦げつかせずきれいに焼けそうだわ…と思ったのが決め手。手に持ってみて、一番軽かったのもポイントだった。お値段がお手頃なのも、非常にありがたい。

これで鬼に金棒だ。


まずはお試しで作ってみる。具材はこちら

人生初のトルティージャ作りなので、家にある材料でザックリ作ってみることにした。今回はあくまで練習。

人参、ジャガイモ、玉ねぎ、さつま揚げ

人参とさつま揚げは、冷蔵庫にあったもの。さつま揚げは、おでん用に買ったものだけど、そのうちの1枚をトルティージャ用に使用してみた。あとのジャガイモと玉ねぎは、自家菜園をしているご近所さんからいただいたもの。

ジャガイモとさつま揚げはサイコロ状に小さく切る。玉ねぎと人参も小さく薄く切る。火が通りやすくて、卵焼きの中にきちんと収まるよう、大きさにこだわってみる。


具材の下ごしらえ

小鍋を火にかけ、オリーブオイルを熱して、そこに具材を投入。焦げ付きそうになったら火を弱めて、じっくり炒める。

ある程度火が通り、全体的に柔らかくなってきたら、軽く塩と胡椒をふる。

更に弱火で炒めて、ジャガイモが柔らかくなったら火を止める。ここで、隠し味にマヨネーズを投入。量は適当。

「何故ここでマヨネーズなのか?」というと、マヨネーズに含まれている酢の作用で、焼くと卵がふっくらと膨らむのだ。マヨネーズは卵と酢で作られているけど、マヨネーズの酢の加減が、卵焼きをふっくらさせるのにちょうどいい比率なのだ。

私はこのことを某レシピ本を読んで知り、以降、お弁当のおがすに「卵焼き」を作るときには、いつもマヨを使っている。私の場合、卵液に入れるのではなく、油の代わりにマヨを卵焼き器に引いて熱し、その上に卵液を投入して混ぜながら焼いている。

今回はトルティージャなので、卵液に投入するのではなく、具材にマヨネーズを入れて混ぜ、全体に絡ませてみた。ちなみにマヨネーズのお気に入りブランドはキューピーだ。

マヨを投入してざっくりと混ぜる。

これで具材にコクが出て美味しく仕上がるだろうし、具材を通してムラなく卵液全体にマヨネーズが行き渡るだろう。

なんだかポテトサラダみたいになってきたけど、これで具材の下ごしらえは完了した。


フライパンで焼く

出来上がった具材を、溶かした卵液の中に投入する。ちなみに卵は4個。

ざっくり混ぜて馴染ませる。

次に、フライパンを用意。この日のために購入した新品だ。マーブルコートなので、前に熱しておく必要はない。すぐにオリーブオイルを引く。

火をかけて中火にして、すぐに卵液をフライパンに流し込んだ。

沸々と焼けてきたら、卵焼きを作るときと同じ要領で、底の固まりかけた部分を菜箸でざっくり起こして混ぜておく。

その後は、火を弱火にして約5分間ほど静かに焼く。

どれくらい弱火で焼くといいのか

この場面での「トルティージャの正しい焼き加減」がよくわからなかったので(…だって初めてなんだもん)、時々、菜箸で端っこをチラッとめくって、底の焼き色をチェック。タイミングをカンで探ってみる。


トルティージャのキモ「ひっくり返す」

端っこの色目が良い感じになってきたので、そろそろひっくり返した方がよさそうだ。

トルティージャ作りのクライマックス!「ひっくり返す」の瞬間がやってきた。

ここで成功して大金星を挙げるか、失敗してトラウマになるか…。大きな節目である。あぁ緊張してきた。

…と、その前に「ひっくり返し用の皿」が要ることを思い出す。慌てて探してみたものの、フライパンの直径と同じくらいの皿はあるのに、それ以上の大きさの皿が見当たらず、ガガーンとなる。

しかし、落ち着いて周囲を見渡したら、ひっくり返すのによさそうなものがあった。

そう、これだ。カッティングボード。

以前、夫が知り合いの工房主さんから買ってきたものだ。でも、あまりに素敵で使うのがもったいなくて、大事にとっていたのだ。

合わせてみたら、フライパンの大きさとちょうどマッチしている。一枚板だからやや重いけど、これを使ってひっくり返してみよう。

こんな感じでフライパンの上にカッティングボードを乗せる。

フライパンとカッティングボードを一緒に持ちあげ、くるっとひっくり返して、カッティングボードの上に卵焼きを乗せる。そして、そっとフライパンを外した。

すると…。

じゃーん!

おおー!うまく焼けている!(歓喜の雄叫び)

きれいに乗っかった!嬉しーい!(泣)

こうして、今度はカッティングボード上の卵焼きを、そのままフライパンへと移した。するっと滑らせて無事に着地。

ジャガイモがひとかけら、横にはみ出てしまったけど、お愛嬌ということで…。いやはや、なかなかの出来栄えではないか。嬉しくて嬉しくて、勢い余ってTwitterに出してしまった。

皆さんから祝福のメッセージをいただき、ますます感極まる。

ありがとう~😭。今日のことを私は一生忘れない。

また弱火でチリチリ焼いて、無事に人生初のトルティージャが完成したのであった。


初めての自作トルティージャを実食

さて、フライパンがからトルティージャを取り出してみよう。

と、ここで、「あれ?お皿をどうしよう…」と一瞬悩む。

しかし、「おいおい、さっきのカッティングボードがあるではないか!」と思い出し、慌てて半熟卵液がベッタリついているカッティングボードを洗って、フキンで拭いて、一応用心のため、水気が付かないようにシートを引いて、その上に出来立てのトルティージャを乗せてみた。

じゃーん!

おこげ色(茶色)が付いているけど、これは「美味しい色」の範囲内。ホットケーキみたいで、なかなか良い感じではないか。

ナイフでカットしてみる。気持ちよくサックリ切れた。

横から見るとこんな感じ。

時間をかけてじっくり火を通したから、「ふっくら」というより「しっかり」した出来上がりになった。


試食してみた感想

一口に最初に食べた時の感想は、「美味しい~!」だった。

一緒に食べた夫も「うまい!」と喜んでくれた。

具材にしっかり味が付いているので、そのままで充分に美味しい。これをパンにはさんでサンドイッチにする気持ちがすごくよくわかる。これは絶対にパンに合うと思った。

そして、この料理にはジャガイモが必須…というのも、実際に食べてみて良く分かった。

イモのホクホク感が、美味しさを際立てているのだ。正統派はジャガイモだけど、例えば他のイモ類…サツマイモや里芋や長芋など、これらを使うとどんな感じになるのかしら?…と、新たな興味が湧いてきた。

今回は「家にある材料」ということで、変わり種に、おでん用のさつま揚げを入れてみた。トルティージャの中身で、「さつま揚げ」はどんな活躍を見せてくれるのか?…非常に興味深くて楽しみだったのに、よく炒めたせいなのか?ジャガイモと似た食感になってしまい、味もよくわからなくなっていて、口の中でその存在がイマイチよく感じ取れなかった。

おい!どこへ行っちまったんだ?さつま揚げよ…。

だけど、もしかしたら、彼(さつま揚げ)は、「旨味」と「コク」を出す隠し味となり、裏方でひっそり頑張ってくれているのかもしれないなぁ…と思った。

あぁ~ごちそうさまでした。

初めてのトルティージャ【練習版】は大成功。

また近々、違う具材でも作ってみたいな…と思った。

素敵な機会を与えて下さったHARCOさん、ありがとうございました🥰。

◇◇

第二回 トルティージャ祭り(HARCOさんの記事より抜粋)
《開催期間》
2021年11月17日~12月8日
《テーマ》
今回のテーマは、『アタシんちのアイツ』です。
中の具はスペイン風のジャガイモにする必要はなく、あなたの家のオリジナルで結構です。フライパンで丸く太陽のように焼けていれば合格です。どんな『アタシんちのアイツ』が登場するのか楽しみです。

《投稿方法》
楽しく作って写真を撮ったら、ハッシュタグ「 #トルティージャ100」をつけてTwitter投稿。さらにnoteにて投稿していただいた方の記事は、マガジンに収録し一挙公開させていただきます。
参加には、私(HARCOさん)と面識がある方・ない方を問いません。

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Emiko(シモハタエミコ)
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