痩せて増える
7月が終わる。
今月も何だかんだと忙しく、あっという間に月末を迎えてしまった。振り返ってみても、何があったのかよく覚えていない。日記を読み返してみて「これって今月の出来事なの⁉」と驚くこと多数。時の経つのがものすごく早くて、つい先週の出来事でも、もう数か月前のことのような気がする。
さて、そんな私の元に、昨日一通のメールが届いた。
これは今月受けた健診の結果を記したもの。今はペーパーレスで結果が送られてくる。別便で送られてきたパスワードを使って開示してみた。結果については、まあまあ年相応の数値が出ていて「まぁ仕方がないよね…」と納得。特にここ数年は、忙しすぎて日課の散歩がなかなかできなかったから、この数字で妥当だなぁ…と思った。運動不足なのは素直に認めよう。
そんななかで嬉しかったのは、体重が戻ってきたことだ。
そう、実は私はここ数年、体重が減っていた。正確に言うと「コロナ禍の最中、痩せてしまった」のだ。
ちなみにコロナ前の私の体重は、50~52㎏だった。これは20代の頃から変わらぬ数値で、一度10代の終わりに49㎏だった時があったけど、この頃の私は若いのに貧血気味で冷え性で体調があまり良くなかった。また逆に30代の頃に54kg台まで体重が増えたこともあったんだけど、これはこれで体が重だるくて調子の悪さが続き大変だった。だから、健康に過ごせるのは50㎏以上54㎏以下の範囲内。だいたい「50~52㎏くらいがベスト体重」と信じてこの体重をキープしてきたのだ。
ところが…である。
コロナ禍に入ったら、みるみる体重が落ちて49㎏になった。
緊急事態宣言で家に引き籠っていたときも、健康キープでこまめに散歩には出かけていたし、食べる物もしっかり食べていたし、減るようなことは一切していない。それにのに、私がどんなに頑張っても50㎏以下に落ちることがなかった体重が、スルスルと減少していった。
そしてコロナ禍3年目に入ると、更に減って体重は47㎏へ。
この頃の健診では、現在の体重計の数値と過去のデータと見比べた健診のスタッフさんが、ギョッとした顔をして「大丈夫ですか?」と声をかけてきた。
若い頃はみんな「痩せた」ことを自慢しまくっていたけど、歳を取ると「痩せる=重病説」が流れるのか…と改めて知ったのだった汗。
一緒に受けた腫瘍マーカー検査では、どこの部位にも問題はなかったし、血液検査の数値も特に悪いところは見つからなかったので、これは「自然に痩せた」ということなのだろう。
ちなみに、私の夫もコロナ禍の最中、私と同じように体重が減っていた。お腹の贅肉が取れて体型がすっきりしたのだけど、やはり、以前の夫を知っている人たちからは「大丈夫ですか?!」「えらい痩せてるけど、もしかして病気?」と、ずいぶん心配されたそうな。夫も特に何かあったわけではなく、自然に痩せていった感じだった。
今になって考えると、あの激痩せは「コロナストレス」だったんじゃないか…と思う。あの頃はそれほど自覚がなかったけど、コロナ禍に感じたストレスは相当のものだったのだろう。自然と体重が落ちてしまうほど、私たちのカラダは緊張し、ピリピリと張りつめていて、臨戦状態のまま毎日を過ごしていたんだなぁ…と。連日「かかると死ぬ」と報道されて、家族や周囲に迷惑はかけられないと感染予防対策に毎日全力を傾けていた。そのため全く気が抜けず、つねに見えざる敵と戦ってきたのだ。そりゃゲッソリ痩せちゃうよね。
そして現在。
私の体重は50㎏に戻った。昨年は47㎏だったから、いっきに増えた感じ。さらにメタボ検査では、腹囲を測定してくれた人が「えっ!」と驚いた表情をしていた。「基準値内ですが、前より結構増えていますね!」と仰る。聞くと、昨年と比べて5㎝くらい胴回りが太くなったとのこと…。おい!緊張解けすぎじゃないか…?
でもまぁ、歳を取ってから痩せると、重病説は流れるし、見た目も老けて見えるから(シワが増える、筋が目立つ、肌艶がなくなる…等々)、ろくなことがない。今のふっくらした感じがちょうど良いのかもしれない。
そういえば夫も、私と同じタイミングで体重が戻ってきたみたい。
お互いに「余分なもの」をそぎ落として痩せていったん手放してから、もう一度体を再構築した…って感じだろうか。
人間のカラダとは、なかなか面白いものである。