新プリキュア雑感

というわけで、次のプリキュアはアイドルがモチーフになりました。昔から定期的にアイドルをやってるメンバーはたまにいますが、そのものズバリは初めてです。

しかし、すでに何作も作られてそうで、ありそうで無かったモチーフなのですが、おそらくアイカツとのバッティング(もっともアイカツはプリキュアより本来は対象年齢が上)を避ける必要がなくなったり、『推しの子』が人気しているという事情もあるのでしょう。

これを言うと、「『推しの子』なんてふさわしくないざます」とネット民がPTAみたいになるのですが、それ言いだしたら『クレヨンしんちゃん』は週刊アクション連載の青年漫画ですし…。

さて、プリキュアをマーケティング面で考察される第一人者とも言えるプリキュアの数字ブログの著者のkasumiさんによれば、『わんだふるぷりきゅあ!』は3つの要員から好調であると言います。

  1. 怖くてプリキュアを見られなかったお子さまや恋愛に興味のある小学生女子など新規層の獲得

  2. 追加プリキュアが最初から発表されることによる柔軟なグッズ展開

  3. 大人向け展開の促進

特に目をひくのは、1.なのですが、普通なら「肉弾戦はプリキュアのアイデンティティー」と固執してもおかしくないのですが、「怖いシーンがないので小さな子どもが楽しく見ている」というのはかなり強い否定のされ方だなと思います。

シリーズ物というのは時にシリーズを意識して非常にハイコンテクストになってしまったりするのですが、結局個性だとかアイデンティティというのはにじみ出てくるもので、どんなに真似をしても何かが残るわけです。

もし、「プリキュアの個性」を徹底的に排除しても、「同じ変身して戦う少女向けの作品」というカテゴリーにおいても「プリキュアだからできること、やりたくないこと」はあるはずで、それが例えばセラムンとかCCさくらとの「違い」になるのだと思います。

逆に意図的に「個性を出そう」とすればするほど、奇をてらって誇張すると、それらは何かのコピーになってしまう可能性が高く却って無個性になってしまうものです。

プリキュア自体はコロナだったり、サイバー攻撃にあったりしていますが、おそらく最大の危機である少子化の波はすさまじく、2004年生まれの子が110万人居たのが、2024年生まれの子は70万人を割る事が確実視されているのです。

女の子の数は半分ですから、1世代あたり金沢市くらいの人口があった市場がわずか20年で旭川市だとか和歌山市並みの人口に減ってしまうわけです、からこれは大変なシュリンクです。

こうした危機に対して生き残るのは、根幹を変えてもアイデンティティは残ると気がつき、大黒柱に車を着けることが出来たコンテンツだけなのでしょう。

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