ネットでの危険な出会い体験談4
⬛︎その四「脳を騙す男」
この男とは、私の地元の最寄り駅の1つ隣の駅で待ち合わせをした。駅の近くのコンビニで待っていて、現れた車はJeepだった。しかも、少し離れたエリアのナンバープレートだったことをここで初めて知った。車高の高い助手席に乗り込むと、自分の履いてきた膝上丈のサマースカートとミスマッチであることが感じられた。
地元に来させているにもかかわらず、普段は車を使わないため自分が利用する駅周辺のことしか知らない。男が選んだカレー屋でお昼を食べた。通ったことはある道だが、店の存在すら知らなかった。玉ねぎを煮込んでルーに入れているらしく、美味しかった。その後はコメダ珈琲店でお茶をして解散。
2回目はお昼を食べてから集合だったのだが、前日に生理が来たことを伝えた。生理2日目に会うのは正直だるい。事前に伝えてもどうしても会いたいというのでお茶して帰るつもりで会うことを承諾した。当日は最初から貧血と腹痛で絶不調だったのだが、伝えてあったので隠しもせず体調悪そうにしていた。
喫茶店を出て、車は私の知らない方面へ向かった。「着いたよ。ほら病院」と言われて顔を上げたらそこはラブホテルの駐車場だった。「休んだ方がいいでしょ?」そう思うなら帰してくれ。車で知らない場所に連れてこられているのでもう男に従うしかない。
部屋に入り、私はとりあえずベッドに横たわった。もう何もしてこないでほしかったのだが、抱きついてくるわ、キスしてくるわ、最悪だった。「今日できないのは分かってたから家で自分で処理してから出てきたんだ。」善人気取りか?お互い服を着たまま、仰向けになった私に男が覆い被さるようにして動く。「不思議だもんだね。脳は8割方やってるって感覚になってる。」 知らねえよ。
「でもせっかくなら舐めてもらおうかな」と言った男はズボンを脱いで私の口に入れてきた。もうヤケクソだった。口を塞ぐ異物で嗚咽が止まらず、私の顔は唾液と涙でぐちゃぐちゃになった。男は果てることなく満足したようで、精根尽き果てた私は止めどなく涙が溢れた。「美人は泣いている姿も美しいね」などと芸術作品を鑑賞するように言う。目も当てられない。
すっかり夜になってから車で集合した駅の少し先まで送らせた。「もうすぐ家に着く?そっか、この近くに住んでるのか」と喜ぶ男に私は心の中で(バーカ、こんなところに住んでねえよ。ここから1駅分歩くんだよ。お前に家を知られてたまるか。)と舌を出し、別れた。