マカベアリス
展示や掲載情報、日々の雑感など。
刺しゅうをするにあたっての準備や道具、ステッチのコツ・・・など刺しゅうにまつわる色々を書いています。これから初める方や、続けている方の参考になればと思います。
新しい図案を随時アップしています。図案はダウンロードでき、図案ごとの詳しい解説も。
雪をかぶっているようなふわふわとした白い木々から、ふんわりとした優しい香りが漂う。それは初めて見る花だった。 「ヒトツバタゴ」、別名「なんじゃもんじゃの木」というそう。 福岡県の岡湊神社を訪れた時、ちょうどこの花が見頃を迎えていた。 そうとは知らずに来たのだが、何かに導かれたのか満開のこの時に来れたことはラッキーだった。 それを目当てに沢山の参拝客が訪れていた。 神社の入り口から鳥居を抜けて本殿に至る参道脇も全て、この「なんじゃもんじゃ」が植えられており、満開の様は見事であ
ごつごつとした石を組んだ淵に肘を乗せ、温かな湯に浸かりながら、いつのまにか降り出した雨をぼんやり眺めていた。 露天の温泉に入るのはどのくらいぶりだろう。 そういえば去年の秋も、立て込み続けの仕事に悲鳴を上げそうになり、長野の山奥に逃げるようにして行った。 その時はやむなく仕事を持ち込んでの逃避旅行ではあったが、こじんまりした気持ちの良い木造のお風呂に浸かってくつろいだ。 引き込みの温泉だったが、外の緑を眺めながらの入浴は本当に気持ちが良かった。 そう考えると案外最近だったの
病院の帰りに見た、駅前のクリスマスイルミネーション。 いつもはそのキラキラがあまり好きでなく、気にも留めないのだが、その日は心に染み入るような思いがした。 先日、思いがけず目の病気が見つかった。 全く自覚症状はなく、年に一回受けている健康診断で判明した。 それも、他の検査で出た数値がいつもより良くなかったので、追加で受けた目の検査でたまたま見つかったのだ。 自覚症状がないうちに見つかったのは、むしろラッキーと言えるのかもしれない。 けれど、要医療ということで受診した眼科で
リモート講座で刺繍を教えている。 正確に言うと教えている・・・と言うより「伝えている」と言う方が自分にはしっくりくるのだが・・・。 細かい作業が多い刺繍は、針先や布目まで大きくカメラで映し出して見ることができるので、リモート講座には向いているという事が言えるだろう。メリットは多いと思う。 けれども、カメラ越しに、お顔が見えない受講生の方々にお伝えするのは、最初はなかなか実感が湧かず苦心した。 チャットでいただくご質問にも、手元が見えない分、多分こういう事だろうと想像しながら
5年前、初めて出版させて頂いた本は絵本でした。 私にとっては思いがけないことでしたが、出版社からお誘いを頂いた時は、驚きと同時にとても嬉しく、即答で引き受けました。 しかし、制作は自分の力のなさと対峙する日々で、試行錯誤を繰り返し、何とかかんとかやっと作り上げたのが「野のはなとちいさなとり」(株式会社ミルトス刊)です。 できてみると、そう意図して作ったわけではないのに、私の小さな経験の中で気づいたことや救われたことが表れていて、物語を作るって不思議だなあと思ったものです。
デジタルでどうやって図案を描くのですか?と聞かれることが多くなりました。 私もその辺は素人なので、詳しい用語を使って的確に説明・・・は出来ないのですが、 デジタルで描き始めた経緯やその便利さなど、私なりに感じていることを書こうと思います。 ○どうしてデジタルで刺しゅう図案? 刺しゅうを仕事にし始めた頃からずっと、デジタルで図案が描けたら良いなあと思っていました。 「絵」としてのデジタルは、何となく味気ない様な気がして余り好きでないのですが、私の最終作品はあくまでも刺しゅう。
しとしと降る雨が何日も続き、暗い空を見上げながら「ああ今日も・・・」と、乾かない傘を持って外に出かける。 そんな梅雨の日々はどこへ行ってしまったのでしょうか? ここ数年の梅雨時期は、季節に似合わずカラッと爽やかに晴れていたかと思うと、突然雨雲がやってきてスコールのような土砂降り。そして去ってしまうとまた青空。 空は曇りがちで、そぼ降る雨・・・という風情は珍しくなりました。 気候の変動で本州も徐々に亜熱帯化しているのか? 今年の夏は更に酷暑なのだろうか・・・? 一抹の不安が頭
新しい刺しゅうキットを作りました。 皆さまからのリクエストもあり、ずっと作らなければ・・・と思いつつ伸び伸びになっていたものがようやくできた・・・というわけです。 今までメインで使っていた小さなパネルが仕様変更したり、メーカーに在庫がなく入荷未定の状況だったので、思い切ってパネルの大きさを変えて新しくしました。 ポストカードサイズなので、こちらも小さめですが、しっかりしたベニヤの日本製パネル。却って変えたことは良かったのかも知れません。 今回は今まで使わなかったビビッド
ここ数日は、来年発売予定の本のために、ずーっとアイデア出しをしています。 ひたすらiPadに向かい、ペンを動かす日々。 刺しゅうは、針を動かし生地に模様が浮かび上がってくるところに何と言っても楽しさと喜びがあると思うのですが、そんな楽しみの前にまずは良い図案作り。 これが結構苦しい作業なのです。 イメージが湧き、すんなり作れれば良いのですが、ちょっと躓くと試行錯誤のスパイラルに入り、もう一度資料を繰ったり、インスピレーションの源となるような画像を確認したり・・・描いては消し
1、アウトラインステッチ(1)直線の場合 図案の線の端から糸を出す。 ひと針分進み、次にその半分ほどの長さを戻る。このとき、糸は必ず手前側に置く。 同じように、針を出したところからひと針分進み、その半分を戻る。 これを繰り返す。最後はひと針進んだところで、刺し下ろす。 (2)角の場合 アウトラインステッチが角まできたら、刺し下ろす。 裏に返して、ステッチの渡り糸に糸を通す。 表の、図案の角から針を出す。 図案を回転させて、再びステッチを始める。 四辺とも刺
1、刺繍の道具 1、フランス刺繍針 使う糸の本数によって号数が変わります。最初は各号数取り合わせたセットの針を求めると良いでしょう。 2、刺繍枠 持った時に、枠の中心まで中指が余裕を持って届く10〜12㎝くらいのものがオススメです。大きな図案の場合は枠を移動させながら使います。 3、糸切りはさみ 先のとがった切れ味の良いものを選びます。 4、トレーサー コピーペーパーを使って図案を布に写す時に使います。ボールペンでも代用できますが、専用の物の方がしっかりと写せ
3月も後半が過ぎ、桜の開花宣言があちこちから届くようになりました。今年も新しい春がやってきましたね。 桜ももちろんうつくしいのですが、この時期、アスファルトやコンクリート塀から、ひょっこりと顔を出す植物が私は気になります。冬の間は淡々と準備をしていて、暖かくなると周囲の悪条件にも関わらず、果敢に伸びて花を咲かす植物たち。たくましさと可憐さを持ち合わせたそんな植物に出会える春は、歩いていても足元がいつも気になります。今月はそんな植物たちを上から見た雰囲気で、図案を作りました。
3月に入りましたが、今日はヒューヒューと北風が吹く冷たい日。早く暖かくならないかなあ。 さて、本日発売の月刊「MOE」(白泉社)4月号に掲載して頂きました。 仕事部屋でのインタビューや今までの作品、そして2017年に出版された絵本「野のはなとちいさなとり」のことなど。6ページに渡っております。 取材依頼をいただいたのは、昨年末だったのですが、あの素晴らしい雑誌「MOE」に載せていただけるということで、取材当日まで「何を話そう・・・」と考えて、当日は少し前のめりに話しすぎ
夜明けの時間が早くなり、季節が少しずつ春へと向かっている今日この頃です。 皆さまこんにちは。マカベアリスと申します。 こちらでは、毎月季節の流れを感じながら作る新しい図案を、皆さまとともに楽しんでいきたいと思っております。 さて、文字通り三寒四温の日々。今日はその「温」の日で、ゴールデンウィークなみ(!)の暖かさなのだそうですが、来週はまた「寒」が戻ってくるという。 道端でも時々、オニタビラコやらカタバミやらが咲いていたりしますが、なんとなくまだ遠慮がち。 そんな春