読書記録
最近の読書記録。
百年の孤独
ガブリエル・ガルシア=マルケス 著 鼓直 訳
以前から読もうと思ってそのままになっていたけど、文庫化でかなり話題になっていたのでそうだ読もうと読んだ次第。
読み始めは、む?という感じで、これが本屋さんで売り切れなの本当?
なにを読んでいるんだろうな私という感じだったけど、最後まで読んでみてすごくおもしろかった。
あんまりかくとネタバレになるので言えないけど、家族や一族そのものに思いを馳せずにいられなかった。細胞やDNAのことを考えると、あながちフィクションでもない気もしてしまうなとか、勝手に妄想してしまう。
ドリトル先生航海記
ヒュー・ロフティング 著 福岡伸一 訳
本屋さんで表紙をみてかわいかったのと、福岡先生の訳ということで購入してみた。
いきもの物語かしらとワクワクして読んだんだけども、ちょっとファンタジーがすぎるというか、子供向け感が強くて少しばっかり期待しすぎた感じだった。
今の私には今ひとつ、ちと物足りない感じだったかな。
冒険は好きなので、小学生の頃に読んでたら楽しんで読んだかなという感じ。
生命とは何か 複雑系生命論序説
金子邦彦 著
冒頭に高校生から専門家まで〜とあったので読んでみたんだけど、難しすぎた。
全然わからんぞ、、となりながら、だけどもすきな細胞の話なので全然わからんわからんと思いながらもわりと楽しく読んだ。
難しいけど、分子生物学はとても興味深い分野だなと思うばかり。
状態を保つこと、ゆらぎとやわらかさ。細胞の柔軟さよ。
生きているって本当に不思議でおもしろい。
機械と生命の違いを改めてよく感じだ読書だった。
結晶世界
J・G・バラード 著 中村保男 訳
バラードのミレニアムピープルの読書が楽しかったので、他の作品も読んでみたいなと思い、バラードの破滅三部作と呼ばれている中のひとつ、結晶世界を読んだ。
ミレニアムピープルのときと同じくとっても不思議な話だった。
美しくて少し怖い世界にどんどこ引き込まれる。
結局読後はミレニアムピープルの時みたく、狐につままれたような、あれは夢だったのかなと思うような不思議な余韻を残す物語だった。
小説が与えてくれる、楽しい読書体験だ。
老人と海
ヘミングウェイ 著 秋山 嘉 訳 谷 阿休 訳
ずっと読もうよもうと思って忘れてたのを思い出して、読んだ。
最初から最後まで楽しい!という読書で、大好きになった。
まず主人公の老人がとても魅力的に描かれていて、どんどん主人公に憑依してしまう文章の巧みさ。釣り中の独り言がすごくよかった。手を擬人化してしまう感じとか、何度も繰り返し同じことを言ったりする感じがとてもリアルだった。
客観的な立場からくすっときたり。
そして海の上でのとりとめもない考えごとが溢れる不思議さ。
以前読んだ、「海について、あるいは巨大サメを追った一年」のことも思い起こされた。海と向き合っているとだんだん自身に向き合ってく感じ、自身との対峙がとても好きだ。
魚たちもとても魅力的に描かれてた。以前からシイラの泳ぐ姿を見たいなと思ってたのだけど、これでよりシイラを目の前で見たい気持ちが高まった。
ヘミングウェイの他の作品も読んでみたいと思う。
環境DNA入門
ただよう遺伝子は何を語るか
源 利文 著
以前みたドキュメンタリー映画「ミルクの中のイワナ」で環境DNAのことを知った。川の水を汲んでくれば、その川にどんな魚がすんでいるのかがわかるという。
ほえ〜となり、大変気になったので読んでみた。
内容は素人の私にも読みやすいもので、どんな種がいるのかいないのか、どのくらいいるのか、繁殖はいつどこか、など、いきものが残した痕跡(DNA)から探ることが可能になってきたということなどがかかれてあった。行われた研究は結構大規模で、全国一斉採水して調べたりもしている。
世界中の遺伝子情報が登録されてある巨大なデータベースが公開さているようで、そこで対象の生物の遺伝子情報をダウンロードして調査を進めているようなんだけど、遺伝子情報のデータベースが整っているのってすごいよな。
まだまだ発展途上の研究分野のようですが、研究者でなくても、自分たちで分析できてしまう日も近いかもしれない。興味深いです。
生物から見た世界
ユクスキュル 著 クリサート 著 日高 敏隆 訳 羽田 節子 訳
macaroomのみーくんが読んでいて、なんだそれ、めっちゃ面白そう!と思っていて、やっと最近読んだ。めっちゃ面白かった。
端的に現実とはなにか、世界とはという感じで、ロールプレイングゲームが思い起こされた。いきものそれぞれにいくつもの現実世界が広がっているということを教えてくれる1冊。
以前読んだローレンツのソロモンの指輪でも読んだ話もでてきた、ローレンツが飼ってたコクマルガラスのチョックの話も出てきた。チョックのかわいらしい行動を思い出した。
遺伝子から解き明かす魚の不思議な世界
水面下で起きた4億年の進化物語
編著=神田真司
魚の進化について、遺伝子について知りたくて、最近の研究ではどんな感じなんだろうかと読んでみた本。
専門性が高くてちと難しかったけど、知らないことが多くて楽しく読んだ。
特に第3部の子孫を残す戦略、繁殖の仕方や性転換についての謎について迫る章はなかなか興味深いことがたくさんあった。
繁殖の仕方に多様性があったり、性転換するということ自体は知っていたけど、なぜそういった戦略をとっているのかといった仮説は面白く読みました。
やっぱり硬骨魚類はおもしろい。
来年はもっと環境問題に特化した読書も増やしていきたい。
もちろん魚のことももっと知りたい!
エマル