ゼロじゃなくていい 〜ストレスとの新しい向き合い方〜
少し想像してみてほしい。
真っ暗な部屋の中で、あなたはたった一人横たわっている。
目は覆われ、耳栓で音も遮断されている。
体は宙に浮いているような不思議な感覚。
そこにあるのは「自分」だけ。
これは1950年代、心理学者のドナルド・ヘッブが行った実験の一場面だ。外界からの刺激を完全に遮断された被験者たちは、どうなったのだろう?
結果は意外なものだった。
わずか2日と持たなかったのである。
ほとんどの人が「もう無理」と実験の継続を拒否。中には幻覚が見え始めた人もいた。
この実験が教えてくれるのは、意外な事実だ。
人間には、適度な刺激、つまり「ストレス」が必要なのである。
「ストレス社会」を生きる
「ストレス社会」という言葉。みなさんはどんなイメージを持つだろうか?
私は毎朝の通勤電車で、疲れた表情の会社員を見かける。正直なところ、その顔に「わかるなぁ」と共感してしまう時もある。スマホの通知は鳴りやまず、締切に追われる日々。これが多くの人の日常かもしれない。
よく耳にする言葉がある。
「ストレスは良くないものだから、避けましょう」
でも、本当にそうだろうか?
そもそも、ストレスを完全に避けることなんて可能なのだろうか?
人生の節目とストレス
考えてみてほしい。
人生の大きな節目には、必ずと言っていいほどストレスが伴う。入学、就職、結婚、出産、昇進...。
面白いことに、事故や病気といった「辛い出来事」だけでなく、結婚や昇進といった「おめでたい」出来事もストレスになる。なぜだろう?
実は、ストレスの正体は「変化への適応」なのだ。
新しい環境や状況に適応しようとする時、私たちは必ずストレスを感じる。それは自然なことであり、むしろ必要なプロセスかもしれない。
ストレスとの付き合い方
では、どうすればいいのか?
以下の3つの視点が役立つかもしれない。
1. 「視点」を変えてみる
- 「困ったな」を「成長のチャンスかも」に。自身の「成長の物語」の一部にできないか?という視点を持つ。
- 完璧を求めすぎない。それって現実的?という視点を持つ。
2. ストレスを減らすための行動を意識する
- 体を動かす。趣味の時間を作る
- 信頼できる人と話してみる
- ちゃんと休む。あえてそのための時間をスケジュールに作る。
3. 過度なストレスが降りかからないよう、環境を整える
- 時には「NO」と言ってみる
- 何が大事か、優先順位をつける
- 助けを求めていい。一人で抱え込んでいたら黄色信号だと知っておく。
最後に
私自身、結婚や子育ての経験を通じて気づいたことがある。
確かに一般的に良いこととされるこれらの問題、エリクソンの言うところの「発達課題」と言うものには喜びと同じくらい、実はストレスがかかることを実感した。一方で、そのストレスが過度にならない工夫ができていれば、学びは多く、自身の成長に繋がっていることを強く実感した。
完全にストレスのない生活は、現実的ではないし、実は味気ないものかもしれない。むしろ適度なストレスは、私たちを成長させてくれると言う視点で、悪者にして避けるという考えから対処する方法へとマインドを変えていくことが大切だろう。
今日も私たちは何かしらのストレスを抱えている。
でも、それは生きている証。成長するチャンスかもしれない。
「ストレスをなくす」のではなく、「うまく付き合う」。
そんな視点で明日を迎えてみるのはどうだろう。
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