虫歯と歯周病の予防の話
「原因療法」=「予防」
この絵を見てみなさまはどう思いますか?
多くの方が「先に蛇口を閉めて、流れ出る水を止めないと床を拭く意味がない」と思うのではないでしょうか?
「痛いところだけ治してほしい」「ここの虫歯を治してほしい」「歯石だけとって欲しい」「クリーニングだけして欲しい」ということを願い出る患者様がいらっしゃいますが、実は「処置だけ」行うということは水を止めずに床を拭く行為と変わりません。
「虫歯や歯周病の原因を取り除く」=「予防」=「蛇口を閉める」です。しっかりと再発しない環境を整えてから虫歯治療や歯周病治療を行うことがとても大切だと当院は考えています。
虫歯や歯周病の再発
歯を喪失するまでのながれは「再発の歴史」です。
虫歯が原因で抜歯にいたる多くの場合は再発を繰り返す中で詰め物がどんどん大きくなり、神経を取る処置が必要になり、歯が脆くなり、歯の根が割れてしまい、歯を抜くにいたります。
歯周病の自覚症状がほとんどないまま炎症を繰り返しながら骨が喪失し、歯を抜くに至ります。
再発しない、健康なおくちのなかの環境を維持するためには、”唾液検査”を受け、自身のおくちのなかの状態を知り、原因からフィードバックした適切な予防プランから、適切な器具と適切な使い方で行う「ホームケア」と歯科衛生士による「プロフェッショナルケア」を定期的に行うことがとても大切です。
唾液検査とは
むし歯のリスクを知ることで、効果的な予防が叶う
唾液中のミュータンス連鎖球菌の量を測定する検査です。唾液検査からむし歯になりやすいかどうかのリスクを把握することができます。
「歯磨きをしているのにむし歯になる」「何もしていないのにむし歯にならない」といった疑問にも、唾液検査は答えてくれます。自分のリスクを知って、自分に合った予防対策をすることが大切です。
唾液検査のメリット
スウェーデンなどの予防先進国で活用されている
目に見えないリスクを見ることができる
患者さん自身がむし歯の原因に気づき、深く理解できる
唾液検査が向いている人
むし歯を繰り返している方
日々の歯みがきがルーティンになってしまっている方
今だけでなく、将来の健康にも興味を持ちはじめたとき
唾液検査は、唾液を採取するだけなので、痛みや苦痛はありません。検査結果をもとに、歯科医師からあなたに合った予防対策のアドバイスを受けることができます。
唾液検査を受けることで、むし歯のリスクを把握し、効果的な予防につなげましょう。
執筆 江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長
江間秀明