日記:2024年5月7日 曇りのち晴れのち雨
・連休明け一発目、流石に身体が重すぎる。怠惰に慣れるほど休んでなかったはずだが、なんなら休む以前よりも俄然疲れている。しかもそういう日に限って常備薬を忘れてしまうという致命的なミスをやってしまう。人間でいられるのが奇跡的なくらいだった。
・しかしそういった絶望的な状況でもやっていくしかないので、せめてモチベだけでも高めようと思って昼は海鮮丼を食らう。このボリュームと内容で750円以下という圧倒的な満足感。近頃は物価高も相まって価格相応に美味い店というだけでは飽き足らず、価格破壊的なコスパを追求し、毎食これでいいと思える手札を日ごとに増やすのが半ば趣味になってきている。俺の中の美味い店ランキングは味覚よりも上位に「え!? この値段で!?」という感動で占められつつある。
・今日はもう一人イカした相棒を紹介するぜ。こっちは贅沢にもローストビーフで巻いたおにぎりに卵黄を載せたもの。馬鹿馬鹿しくなる見た目と価格のあまりつい手に取ってしまった。しかも米はローストビーフに合うようにタレで味付けされているというので文句のつけ所がなかった。毎日売ってる訳ではないらしく、今日はたまたま当たりだったらしい。とはいえ結局、昼に1000円以上使ってしまった事になるので節約は失敗。人間の尊厳は日銭ごときでは代えられない。
・そこまでして尚、げろげろに疲れ果てて帰ったが、むしろ本日のメインタスクはここからであった。採れに採れた苺を砂糖漬けにして煮出すという作業──すなわちジャム作りである。何もない日にボウルに開けて放置するまでは赤子の手をひねるよりも楽な作業であったが、それを平日に煮詰めてアクを取る工程は思いのほか辛く、安請け合いした事を甚だ後悔するほどにヘビィであった。
・レシピというほどでもないが、いちおう作り方をご紹介しておく。まずありったけの苺(今回は試作品として500gほど)をかき集め、その6割ほどの砂糖(つまり今回はおよそ300g)とレモン汁大さじ1を混ぜ合わせて冷蔵庫でひと晩寝かせる。こうすることで甘みを纏わせるとともに、ジャムのベースとなる苺に含まれる水分を外に出させる意味があるので、残念ながらここの過程はどうしたって省略することが出来ない。そうしてひと晩経ったら、先に果肉を除いた水分だけを強めの中火に掛けて、沸騰させる。この時に浮かんでくるアクは1回掬うだけで良いです。
・沸騰して少し経ったら果肉も加えて15分以上煮詰めていく。温度計をお持ちの方は110℃がベスト。なお、この間は火を通した肉もかくやの勢いで苺から無限にアクが出続けるため、その都度無限に取り除いていく。火加減は基本的には強めの中火〜中火の合間で調節。吹きこぼれたり、底が焦げたりしないように気を付けながら適宜混ぜ返すのがおすすめ。あとはなんか良い感じに粘度が出てくれば完成。目安としては氷水に落として底に沈めばOK。逆に鍋の温度が高すぎると煮汁が飴みたいに固まってしまうため、くれぐれも火加減には注意を要する。
・こうして出来上がったものがこちら。本来はグラニュー糖で仕上げるのだが、今回は実家のこだわりからきび砂糖を使用しているため色味はややくすんでいる。慌てて撮影した挙句、無加工なのであまり美味しそうに見えないかもしれないが、実際に食すると既製品と遜色ないどころか果肉感が残る分、断然こっちの方が美味かった。我ながら苦労の甲斐があったと思うが、上手くいった以上はとにかく消費が追いつかない事からすぐにも第2波を作らねばならないため、感慨に浸っている暇もない。これを書き終える頃には再び山のような苺のヘタを取り、これまた山のような砂糖をぶち撒ける必要に駆られるであろう。そんな今の俺の有り様こそ、まさに「ジャムおじさん」そのものだと言えるのではないか。やれやれだ。