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イラストなしで作った文庫同人誌の装丁・紙・印刷について(失敗と改善編)

前回の記事で2017年、2018年に作ったオリジナルの本を紹介しましたが、それ以前にも二次創作で何冊か文庫本を作っており、印刷・デザイン上で失敗だったな、という点がたくさんありました。

そう、とてもたくさん……。

でも、それらがあったからこそ、「こう改善しよう」と考えることができ、ちょっとずつ進歩してこれたのかなと思います。

というわけで、3年前の自分に伝えたいような気持ちで、特に失敗と改善点を踏まえて紹介したいと思います。

はかない武器

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表紙用紙:OKプリンス上質180K
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:198p
値段:800円
印刷所:STARBOOKS
初めて作った同人誌のうちの1冊。
せっかくのフルカラー印刷なのに2色しか使っていないです。
あえてやるならありかもしれませんが、モノクロの素材集を使ったので自然とそうなってしまった、というだけだったりします。
一番最初に買った素材集で、それしか持っていませんでした…。
最初はもっと汎用性の高いものを買えばよかったと思います…。

フルカラー印刷ならもっと差し色を使うか、いっそのことの1色刷りにすればよかったんじゃないかと今では思います。
あと、奥付があまりに奥すぎました。

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あたらしい毒

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表紙用紙:エスプリVエンボスアラレ180K
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:126p
値段:600円
印刷所:STARBOOKS
これは完全に紙のチョイスミスです。
エンボスあられというきらきらした紙なのですが、載せた色が暗すぎてまったくきらきらが見えません。
薄めの色を載せるとかわいらしい紙なのに……。

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暗い色を全体に載せるとこの紙らしいきらきらが損なわれてしまう、ということをまったく知りませんでした。
このときの後悔をもとに、白・ピンクベースのイラストの際に改めて使いました。(前回の記事中の「春より早く」)

影山くんの好きな人

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表紙用紙:NTストライプGA新スノーホワイト170K
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:120p
値段:600円
印刷所:STARBOOKS
ストライプ調の紙で、手触りが面白いです。

何も考えず家っぽい写真を無料の素材サイトから探してきて使ったところ、近場のダイソーでも同じ写真が使われていて「あっ」となりました。
使いやすい無料の素材はだいたい何かしらとかぶる気がします…。

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カバーなしでPPをかけていない、かつ濃いめの色を使っている本に共通ですが、角の色がかなりはげます。PPをかけると紙のしましまが目立たなくなってしまうので、悩むところです。

スノウブラインド

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表紙用紙:サーブルスノーホワイト160k
本文用紙:クリーム書籍用紙72.5k
ページ数:140p
値段:700円
印刷所:緑陽社
これもざらざらして、手触りが面白い紙です。
失敗というほどではないですが、やっぱりほぼ2色刷りに近い色味しか使わなかったのはもったいなかったかなと思います。
当時緑陽社さんで行われていた雪化粧フェアを使い、「雪柄トレペ遊び紙」を入れました。

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トレペ自体に雪のような模様が入っていて面白いです。

緑陽社さんは品質も高い分お値段高めの印象がありますが、はじめて割20%+早割30%で最大の50%割引と余部増量を使用すると意外とお手軽になりました。
(ただはじめて割は二度と使えないので、その後文庫では緑陽社さんを使っていません…)

おいかげレシピ

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カバー:クラシコトレーシングホワイト74k
表紙用紙:NPホワイト200k
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:260p
値段:1000円
印刷所:日光企画
日光企画さんで、トレーシングペーパーカバーの本を作れる手頃なフェアがあったので利用しました。

ただ、こちらのフェアは「表紙がモノクロ、カバーがカラー」という条件になっています。

どちらかというと、商業本では逆のパターンが多い気がします。
(CLAMPの「CLOVER」みたいな)

この表紙がモノクロ、という条件がなかなか難しかったです。

料理写真の上に、メニューが載るようなイメージにしたかったのですが、モノクロ印刷の表紙にカバーをかけると、思ったより暗い印象になってしまいました。

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また、トレペの透け感を見誤って、表紙本体の背表紙のみにタイトルを入れたのですが、かなり見にくいです。カバーに入れた方がよかったと思います。

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トレーシングペーパーはそもそも波打ちやすい紙なので、カバーにするともっとよれてしまうのでは…とも思ったのですが、その点は思った以上に硬いので、1年半が経ってもまだしっかりしています。

BUT NOT TODAY

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カバー:クラシコトレーシングホワイト74k
表紙用紙:NPホワイト200k
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:104p
値段:500円
印刷所:日光企画
前回の本の反省を踏まえて、前回とは反対にカラー印刷ができるカバーに写真を持ってきました。
それでもかなり色味は薄くなっていますが、前回よりは華やかさがあるかなと思います。

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前回の反省を生かし、背表紙タイトルもカバーに入れました。

かげおいメモリ

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カバー:クラフト108k
表紙用紙:NPホワイト200k
本文用紙:淡クリームキンマリ70k
ページ数:260p
値段:1000円
印刷所:日光企画
前回の反省を踏まえて、正式な日本語タイトルも入れました。クラフト紙で映える色を考え、タイトルには赤を選んでいます。

ただ、最初の入稿データはこのデザインと違っていました。
白い紙への印刷と同じつもりで、王冠のイラストなどに白を使っていたのです。

普通の白い紙だったら、色を載せないところは白になります。
でも、クラフト紙は色を載せなくても白にはならないのです。(白色の印刷をしたければ、特色になります)

印刷所の方から「絵がほとんど見えませんが…」と丁寧にアドバイスを頂いて初めて気づきました。

使おうと思っていた手頃なプランには、特色白を付け加えることはできなかったため、慌てて色を変えたのが完成版になります。

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この2冊は対になっています。(ページ数、フォント等をそろえました)

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以上がイラストをお願いせず、素人の自力デザインだけで作った文庫本でした!(上記の本はすべて完売していますが、最近の本はメロンブックスで取り扱っています

「デザインと紙の相性」というものがあるんだ、とやっとのことで学んできた感じです。私は自分で絵を描いたりパスを引いたりもできないので、かなり素材集に頼っています。

拙くてもやっぱり実際作ってみて初めてわかることが多いので、これからもたぶん失敗を繰り返しつつ、やっていきたいと思います!

前回の記事はこちら

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