マガジンのカバー画像

MILK

78
本
詩集MILK。
運営しているクリエイター
elspeth(エルスペス)
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

鬼ごっこ

鬼ごっこ

　

追イカケッコハ疲レタヨ

だから今度はきみが鬼になってよ

じっと隠れて待っているから

靴ヒモ結んで待っているから

見つけてちょうだい
#詩 #ポエム #MILK

elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

生存確認

生存確認

　

もしもし？

もしもし？

あなたは死んだのですか？

もしもし...

応答を願います。

私はあなたの死を望みません。

むしろ、生存を望みます。

足を動かしてください。

あ、失礼。

手足兼用でしたか。

では、その触手を動かして下さい。

どうやら生きてらっしゃるよう。

あなたは何を求めているのでしょうか？

ほら、もの欲しそ

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

そうでしょ？

そうでしょ？

　

分かってないよね

いい加減なその行動が

どんなに愛おしいかなんて

分かってないよね

そんなとるに足らない事柄で

記憶が構成されてることに

そんなことを思って

少し切なく滲む涙

ずっと続いてくんだね

ボクは少しだけ未来を予言できる

だから

未来の喜びを思って微笑み

未来の悲しみを思って涙する

ボクらそうやって歩いてく

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

自惚れ

自惚れ

　

きみの声が遠すぎて

深く沈めた目蓋

耳を澄ます

滑らかな青に

迷いも無く流された白

描けると思ってた

自惚れていた

その下

確かに在ると知っているのに

確かにいると知っているのに

何故だろう

微塵にも

触れる自信は無い

それは鋭いと言うのだろうか？

熱いと言うのだろうか？

砕かんばかりに込める破壊衝動

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

ナルキッソス

ナルキッソス

　

水底を

覗くことさえ放棄して

なにゆえここに立つ？

水鏡に映った己の姿

眺めていたいだけだろう？

すくだまる濁りさえ見ないつもりか？

ならば何をもって己とす

何をもって称賛す

眼前の困惑知る度よみがえる絶望

己の操る夢の中

溺れるように浸かってきたんだろう？

ここは飾り立てた感情ばかり

今を直視できぬその瞳

矛盾に

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

かさぶた

かさぶた

　

その曲線に砂丘をみる

照らす光は灼熱の太陽か

あるいは零下の月か

さらさら流動する間に見た夢は

砂の中に沈んでしまった

目覚めた時に落ちた涙は

瞬く間に吸い込まれてしまった

食い破る外面の

突き破る平坦の

解放された余力

硬化してゆくその表皮

牙を剥き鋭く貫くもの

咆哮こだまし再び内に凝固する

残された奇石は冷たく

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

ビスケット

ビスケット

　

つかんだ物

崩れると言うのなら

粉々になれよ

踏みにじった足の裏に忌まわしい感触

あぁ

粉々のビスケット

与えられたそれを啄んでいるうちは

きっと何も作り出せやしない

魔法のポケットが欲しい
#詩 #ポエム #MILK

elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

醜枷

醜枷

　

殺さない

それは己の決意

醜い己を葬り去って

どうして心のままあれるだろう？

どうして美しいままあれるだろう...

きみを殺さない

ボクがボクであるために
#詩 #ポエム #MILK

elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

森羅万象

森羅万象

　

肥大してゆくその中で

対峙したもの数知れず

理解したかと問われれば

そうでないのは歴然で

大きな光に囚われて

消え入りそうな光

探すことさえ

放棄しているだろう？

さぁ対の眼

この世の無数を見ろ

掬い切れぬと知っていても尚

自制心に挑発をかけろ

貪欲を忘れて

たった一つに甘んじて

それを全てと思うな

分

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

素敵なモノゴト

素敵なモノゴト

　

嫌いって

言いたいのに

言えないんだね

知らないって

言いたいのに

言えないんだね

淡い期待を

抱いてしまうんだね？

泣きたくなるんだね？
#詩 #ポエム #MILK

elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

偽善者物語

偽善者物語

　

奴は空虚なものが嫌いで

見えないその先が嫌いで

知らぬ間に

恐怖を抱いてた

ある日

眼前に舞い降りた不死鳥

興味本意で翼を刈った

鳥は乞う

殺せ

と

しかし

奴は願った

やがてたどり着くその先の世界

知る限りの己を教えて欲しい

それは希望

誰かの言葉で浮き彫りになる形

果たされずとも

信じる

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

手放したもの

手放したもの

　

この指先捉えるものを

掻き寄せ己の物としてきた

今ここに解放を宣言す

真実己の欲しかった物

数え切れぬ程手にしたものに

ありはしなかった

むしろ、

それはこの手につかめる物なのだろうか？

薄れゆく記憶の中には

確かにあったはずなのに

どうやら拾い損ねたらしい

その言葉の端々に確かに存在する時間

小鳥よ

啄むがいいこ

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

ポッケはでかい方がいい

ポッケはでかい方がいい

　

お財布と

シャボン玉もってお散歩行こう

拾った小石放り込む

拾ったどんぐり放り込む

拾った蝉の抜け殻放り込む

拾った十円玉放り込む

きみがくれたあめ玉しまい込む

いそいそと

この間もらったのが入ってたよ

キミドリどろどろ泣いているメロン味

アリンコにあげてもいい？

ねぇ

アリの行列

どこまで続いてるのか辿ろうよ

もっとみる
elspeth(エルスペス)

elspeth(エルスペス)

黒の呟き

黒の呟き

　

ずっと聞きたいことがあったんだ....

なんでオレなのかってこと

負でありこそすれ

正ではないオレの必要性

オレでなければならないなんてことは

まったく持って

ないのかもしれないけど....
#詩 #ポエム #MILK