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MILK

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詩集MILK。
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2019年7月の記事一覧

置換

置換

 

ちっそくしそうだ。

きみが言う

そのストローで

ボクに空気をわけてくれ

あらゆるモノの中から

微々たるものを集め

希望(さんそ)に換えるから...
#詩 #ポエム #MILK

連鎖反応

連鎖反応

 

ゼロ から放つ

跳ね返る 1 を求めて。

2 を虚空に放つ

跳ね返る 3 を求めて。

跳ね返る

5 7 9 11 を求めて。

13 15 17 ....を求めて。

動けぬものよ

ただ在れ。

とどまることを知らぬものよ

ひたすらにさざめけ。

乱反射し

交差する時まで

その存在を

切望する。

175 177 179 ....

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ポイ捨て禁止

ポイ捨て禁止

 

過去を憂いちゃいないんだ。

そこにいるのは別の歩みのようで

しかし

紛れもないボクの軌跡

捨てたと思っていたそれを

きみはわざわざ拾ってきた

いらないと

駆け出すボクに

きみは言う

未来のあなたは

これを欲しがっている

と。
#詩 #ポエム #MILK

加虐心

加虐心

 

その硬質な白に触れて

隆起を確かめる

その思考の根源を暴きたいんだ

吊り上げた唇の端撫でて

私は確信するの

真っ黒な吐息

吹きかけてあげるわ

なんて醜い性根って罵ってよ

腐った内蔵料理して

あなたに食べさせてあげるわ

死んでちょうだい...

間違いなく私が先に天国でしょうけど

裸足で川辺りを歩くの

それともお花畑かしら?

きっと優しい

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それさえも

それさえも

 
 

ねぇ?

この幸福で満たされた心

えぐってよ

平坦なリズム

踏み外してしまわないか....

狂ってしまいそう

もしかしたら

もう...?

得ることを忘れた痛覚なんて

要らないよ

そうでしょう?

赤を溢す心臓が

いとおしいんだよ

愛しているんだよ

 
 

その硬質な白に触れて

隆起を確かめる

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小指と小指の隙間から

小指と小指の隙間から

 

存在の忘却

それさえも忘れ

今を漂う

消し去りたいものは

今だこの手の中

きっとこの先も....

崩れた自尊心

閉口するほどの怠慢

きみは罵れない

ならば?

放棄かい?
#詩 #ポエム #MILK

28

28

 

きみは考えていた

煙草とトマトジュース片手に

なんでボクは……?

楽しければそれでいいじゃないか

素敵ならばそれでいいじゃないか

嬉しいことをして……

毒を食わば皿まで

ついでにそのスプーンもちょうだいよ

頬をめいっぱい膨らまし

見つめる瞳はキラキラ

きっと見つかる

きみは知ってた
#詩 #ポエム #MILK

きみとボク

きみとボク

 

上昇 上昇 上昇 上昇

舞い上がった花びらが

淡い光に溶けてゆく

崩れ逝くシラ骨の

窪みを風が吹き抜ける

傍らには涙の落つることのない平穏

二度ときみとまみええぬこと

知らしめる

透明度の高い水の中

ボクはきみを見守って

冷たい流れにじっと在る

ぬるみはじめた流れに身を委ね

安らかな時を待ち焦がれてる

きみが砂利を踏みしめる音だけ

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透明

透明

 

きみは死ぬのかい?

ふるえた鼓膜 まつげ

雲の切れ間に夢を見た

ふるえた幻像

途絶えた意識



希望

満ちる



崩れて

雲母の羽と化す

愛しているのかい?
#詩 #ポエム #MILK

風と共に

風と共に

 

キミの風を切って虚空を滑る姿が好き

ねぇ、お願いがあるんだ

ボクが死んだら

その羽の

先の風の渦巻くそこに

ボクの魂を住まわせてくれない?

ボーダレスな空を見せてくれない?

ボクの体をあげるから

頭のてっぺんから爪先まで

全部あげるから

足りなかったら

来世の分もあげるから

加重分のエネルギーに

多分おいしくはないけれど

だからボクを運

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ここにいる

ここにいる

 

探していたモノがそこにはあるね?

キミは見付けられたのかな?

そこは暖かいかい?

そこは寒いかい?

ボクにも行けるだろうか?

勇気を振り絞って?

それは無駄にはならないだろうか?

必ず得られるだろうか?

ボクはここにいる

そう、

その一歩は大きな一歩

素敵なモノを得られる
#詩 #ポエム #MILK

パラレル

パラレル

 

臆病風に吹かれてボクは薄笑む

決して自嘲じゃないんだ

不安に歪む横顔見つめてボクは薄笑む

決して嘲笑じゃないんだ

ボクは気付いていたんだ

湖面に映る靴底にそっと波紋が広がって

頼りないボクの姿は影と消える

寄り添う羽のまねをして

触れる先に描く接点

ボクを殺したのは誰だ?

儚いフリをしている強かの

その根源はどこにある?

きみは知っているのか

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水玉きらり

水玉きらり

 

雨宿るものがないところで

散歩のとちゅう、

雨が降ってきた

水玉もようのボクは雨に紛れはしない

ほら、遠くに金色の柱

陽のさしてる下は暖かいだろうか?

あの木の下をぬけたむこう側は晴れだよ

緑を飾る水滴が、光を弾いている

先は長い

濡れた髪を高く結い上げ

さあ、行こう。
#詩 #ポエム #MILK

 

生物と物

生物と物

 
 

軋む付け根を握りしめ

ボクはそれを引き千切った

この翼の必要性は?

利便性を追求する度重くなる足

その必要性は?

いつに退化したのかこの夢は

取ったら荷物になっちゃった

どこに仕舞おう?

腹の中にでも納めるか?
#詩 #ポエム #MILK