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遊羽
2022年3月16日 22:59
「風の強い町」/ Ветреный город僕は別に あなたに会いに来たわけではないたまたまこゝにたどり着いたゞけのことだいつ来てもこゝは風が強い函館の知られざる碑の前で足を止める「風の強い町」 2022年
2022年3月3日 17:32
「江差追分」/Эсаши Оивакеのびて響く 響いて届く哀歌のような情熱が波濤のように届く今日の夕陽もまた紅かった江差の音が一つ混ざってゆく「江差追分」2022年
2022年2月22日 23:39
「松前挽歌」/Мацумаэ Элегияこゝまで来れば北海道とは雖もこゝまで来て尚北海道は感じ難き思いのほか行きにくいこの町今日も津軽海峡が輝いていた「松前挽歌」 2021年
2022年2月16日 00:04
「神恵内」/Камоэнаи一年目 あの温泉には入れなかった二年目 やっぱり入れなかった塩分がとても強くて いつまでも入れなかったそして今 施設そのものがなくなってしまった「神恵内」 2021年
2022年2月11日 01:32
「南十一条」南だったことは覚えている 問題は十一条だったかそれとも十二条だったか ハッキリと思い出せないそんな七丁目なんて言われても せいぜい三丁目くらいにして札幌でありがちな迷子への落とし穴「南十一条」2021年
2022年2月3日 00:29
2022年1月29日 13:59
「北斗」/ Хокуто北海道にも新しい市がまだできるんだ名前がそれっぽい 場所もそれっぽいおまけに新幹線もやってくるもう誰ももとの二つの町名など思い出せない「北斗」2021年
2022年1月19日 01:13
「遠軽」/Энгару白滝も生田原も丸瀬布もみんな遠軽へと帰っていった併合されたんじゃない もとの名前に戻った戻ってひとつの 遠軽になった「遠軽」2021年
2022年1月14日 04:10
「青春」/ Молодостьレールの上で明け暮れることもまた青春湖畔にテントを張って過ごすのもまた青春人も町も次第に減っていこうとも 夢は潰えることなく北の見慣れぬ植物も視界から外れていけども「青春」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2022年1月10日 22:19
「あと一つ」/ Еще один道内の市町村でたった一カ所だけ行っていない所今回も対岸から眺めるだけだった波は灰色に荒れ 海鳥が風に流される今回も対岸から眺めるだけの島 いつ行けるのか「あと一つ」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2022年1月4日 22:19
「釧路」/ Кусиро札幌からの移動時間 おそよ4時間長くて遠くて 何よりも退屈札幌への列車待ち合わせ時間 およそ15分短すぎて何も買って食べることさえできない「釧路」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月31日 00:14
「廃屋」/ Заброшенный дом以前にも増して廃屋が増えてきた押しだまる集落が 確実に増えてきた住みやすくさせた町が だんだん住みにくゝなる廃屋のすぐそばにだって 花は咲いているのに「廃屋」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月28日 01:55
「灰色の家」/ Серый дом新興住宅地に立ち並ぶ 灰色の家比較的新しく 小ぎれいに立ち並ぶ朽ちていく家よりも 数は少ない留寿都村長の家も 灰色だった「灰色の家」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月24日 04:04
「札幌の路面電車」/ Трамвай Саппоро市電はのんびりと走る 札幌の街の中始発から終点まで乗っている人は運転手か 暇人のどちらか途中で降りない限り 旅人は道に迷わない「札幌の路面電車」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲