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遊羽
2021年12月31日 00:14
「廃屋」/ Заброшенный дом以前にも増して廃屋が増えてきた押しだまる集落が 確実に増えてきた住みやすくさせた町が だんだん住みにくゝなる廃屋のすぐそばにだって 花は咲いているのに「廃屋」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月28日 01:55
「灰色の家」/ Серый дом新興住宅地に立ち並ぶ 灰色の家比較的新しく 小ぎれいに立ち並ぶ朽ちていく家よりも 数は少ない留寿都村長の家も 灰色だった「灰色の家」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月24日 04:04
「札幌の路面電車」/ Трамвай Саппоро市電はのんびりと走る 札幌の街の中始発から終点まで乗っている人は運転手か 暇人のどちらか途中で降りない限り 旅人は道に迷わない「札幌の路面電車」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月22日 00:08
「絨毯」アナトリアの娘は絨毯の一つも織れないと嫁に行けないらしい幸福な結婚の為に彼女たちは絨毯を織るそれは緻密にして華美敷物などと言うものではなくひとつの芸術一枚が孫子の代まで使われ時間とゝもに色が変わるしかしそれは褪せているのではなく変化をしているそれがトルコ絨毯芸術品を尻に敷くことは畏れ多いことだがトルコ絨毯の目的はやはり敷くためのものふと手を伸
2021年12月20日 22:13
「茂津多岬」/ Мыс Моттаどうしてこんなに 寂しいのだろうどうしてこんなに 震えるのだろう何もない訳でもないのに 身体が震える越すに越せぬ場所は 峠だけじゃない「茂津多岬」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月15日 02:42
「モモイワ」/ Момоива蝉のいない静かな入り江の夏地球の丸さを知った風が凪ぐ 波静か 寄せ返る大地の声木の少ない丘の上 風を待つ「モモイワ」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月11日 00:18
「後方羊蹄山」/ Гора Ширибешиこれでしりべしざんと読ませるのはなんとも無理があるけど みんな大好き名前も変わらなければ 山も動かない姿が見えないと とても寂しくなる「後方羊蹄山」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲
2021年12月2日 01:41
「十字街」/ Дзюдзигай右へ行くなら観光地左へ行くなら温泉地どちらへ行こうか それとも戻ろうか思案の市電の岐れ道「十字街」 四行詩集「北海道」より2002年初出 2021年再推敲