マウンティングに対する作法
吾輩は名無し猫である。
連載を待ちきれない皆さんの声にお応えして、三回目の投稿である。
吾輩を熱望する気持ちは分かるが、落ち着くのだ。
今日のブログテーマはマウンティングである。主(エレン)が語りたいマウンティングとは、「オレ/アタシの方がお前より上じゃ」という優位を示したがる人間の行為を指すらしい。
吾輩の主ときたら、日頃、チームラボの猪子さんやホリエモン先輩の発言に影響を受けては、
「経営者たるや未来を見通せなくてはいかん・・・」などと感化され、
「『AIと共生する未来』とかクールな記事を書く!」と豪語していたにも関わらず、三回目にしておかしな人間たちの行動観察を語ろうとしているのだ。マウンティングなどと、猫界にとっては自然の理に適った作法を今さら語らされるとは、レッキとしたパワーハラスメントであり、
吾輩も遅らばせながら「Me, too」と声を挙げねばならない。
そもそも、このようなテーマで面白おかしく描いて、
世の中のちょっと力のあるおじ様たちを敵に回さないか危惧されるが、
「そもそも人をマウンティングするような人は
無自覚だから揶揄されてることに気づかない」
とまあ主は呑気なものである。
主は、最近、FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ殿の著書、
『リーン・イン』を読み、思うところがあったようなのだ。
内容は、超簡単にまとめると、「女性よ、自信をもって一歩踏み出すべし!」というものなのだが、まず、女性から自信を奪い、意識を社会に出ないようにしてしまう社会構造への洞察や頭の古いタイプの男性から女性へのマウンティング行動あるあるが具体的に記載されていて、「そうそう!」と働く女性の共感ポイントが満載である。
もう一つ面白いのが、
「社会でステップアップしていく女性 =中身が男性、そして女性の敵も作る」
という悲しい社会の認識を覆すごとく、
シェリル殿はよく泣くし、ちょさいマウンティングを受けてイジイジしたりし、とっても人間らしいチャーミングな女性なのである。
そこで主は、この『リーン・イン』を『セックス・アンド・ザ・シティ』に次ぐ名著と位置づけた。涙なしには読めぬらしい。
働く男性はもちろん、働く奥さんを持つ旦那さんにも読んで頂きたいとのことである。
もちろん、マウンティング被害は女性に留まらないであろう。
世の中、昇進するのは品性を備えた男性より、ごますりと威圧の二刀流の持ち主である。
が、こういう、そもそも「働き手総数が減っていて女性を登用しないと日本はヤバイ」と確度100%の未来予想を無視し、
とにかく目の前のポジションを取りたい人たちからすれば、
「女性登用」などして競争相手を増やすよりも、
「女性」という枠を外へ追っ払えば、まとめて競争相手を減らせるのであるから、女性がえてして被害に合いやすいのは合点がゆく。
主とて、チームの中で女性の自分だけミーティングに呼ばれなかったり、
それを上司に相談しても逆に説教されたくらいの経験は十分あるし、
20代はピュアに思い悩んだこともあるらしい。
そして、悩みつつも辿り着いた主の結論は、
「戦わない」
である。
価値観が染みついた人間の意識を変えるのは、不可能と断言するのは乱暴だし希望がなさすぎるが、
とっても労力と時間がかかるのは確かである。
1組織の中にいて、自分が1従業員として変革しようとしたとして、
あっという間に時間が経って、その間に同期は2つくらい上のポジションに
昇進しているであろう。
こういうことも一因となって、
主は、組織の中で固定の価値観と戦うのに労力と時間を消耗するのはやめ、
戦わなくてもよい道、つまり、
世の中にない新しいビジネスの仕組みを作り、
自分でその運営組織を作る道を歩むことにしたらしい。
これを「私のブルーオーシャン戦略」ともっともらしく名付けている。
この考えに至った時、主は、人生を「選択」することもやめ、
「自分で描く」ことに決めたのだと吾輩は記憶している。
組織や社会の固定観念から
「昇進する?出産するから昇進は諦める?」といったオプションを
与えられるのは、選ぶだけなのである意味楽なのだが、
白いキャンバスからお絵かきする方が何倍も楽しいのだ。
今に至る道には色々あったらしいが、
そのおかげで今、それなりの売り上げがあって、好きな生き方ができているのであるから、ありがたいことであろう。
ありがたいありがたい。