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講座【資産形成・投資】:金利の違い
お忙しい投資家の皆様へ。
より短く理解ができる情報ををお届けします。
政策金利と通常の金利の違いは、主に「決定主体」と「目的」の違いにあります。
1. 政策金利とは?
決定主体:各国の中央銀行(日本なら日本銀行、アメリカならFRB)が決定
目的:景気や物価をコントロールするために、金融政策として設定する金利
影響:銀行間の短期資金の貸し借りや、市場全体の金利水準に影響を与える
例えば、日本では「無担保コール翌日物金利(オーバーナイト金利)」が政策金利として重視され、日銀がこれを誘導することで経済を調整します。アメリカでは「フェデラル・ファンド金利(FF金利)」が同じ役割を果たします。
2. 通常の金利とは?
決定主体:市場(金融機関や投資家)によって決まる
目的:資金の需給に応じて決まる金利(例:住宅ローン金利、預金金利、長期国債利回りなど)
影響:個人や企業が資金を借りたり運用したりする際のコストやリターンに影響
例えば、住宅ローンの金利は銀行が設定しますが、その基準となるのは市場の長期金利(例:10年国債利回り)です。この長期金利は、政策金利や市場の期待(金利の将来予測、景気の見通しなど)によって決まります。
■関係性:政策金利が通常の金利に与える影響
政策金利が引き上げられると、短期の銀行間金利が上昇し、結果的に貸出金利(住宅ローンや企業融資)も上昇する傾向があります。逆に、政策金利が引き下げられると、通常の金利も低下することが多いです。
例:日本とアメリカの金利動向
日本は政策金利を超低水準(現在0.50%)に維持しているため、長期金利(10年国債利回り)も低め(0.741%)に抑えられ、住宅ローン金利なども低くなっています。
アメリカは政策金利を4.25~4.50%と高めに設定しており、長期金利(10年国債利回り)も4.64%と高く、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。
■まとめ
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政策金利は経済政策のツールであり、通常の金利は実際の資金の貸し借りに関わるもの、と覚えるとわかりやすいですね。
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