【社労士の品格】2: 仕訳と勘定科目
「あなたがカフェを経営していると想像してみてください。今日は次のような取引がありました。」
コーヒー豆を仕入れた(仕入代金:5,000円)。
お客様が1,000円でコーヒーを購入してくれた。
レジにあった現金を銀行口座に5,000円預けた。
これらの取引をどのように帳簿に記録しますか?
簿記では、これらの取引を「仕訳」という形式で記録します。そして、この仕訳には「勘定科目」と「借方・貸方」のルールが欠かせません。
仕訳の仕組み
仕訳とは、発生した取引を「どのような性質のものか」「どの金額が動いたか」に分解して記録する手法です。
簿記では、取引を「借方」と「貸方」の2つの側面に分けて記録します。この2つが必ず一致することで、取引の全体像が正確に管理されます。例:
コーヒー豆を5,000円仕入れた場合
借方(費用の増加): 仕入 5,000円
貸方(資産の減少): 現金 5,000円
勘定科目の種類と特徴
勘定科目とは、取引の内容を分類するための「名前」のようなものです。
主に以下の5つに分類されます:資産: 現金、預金、売掛金など、会社が持っているもの。
負債: 借入金や買掛金など、会社が返済しなければならないもの。
純資産: 会社の所有者の利益に相当する部分。
収益: 売上など、会社の利益を生む取引。
費用: 仕入や人件費など、会社の支出を生む取引。
借方と貸方のルール
借方・貸方は簿記の基本ルールで、以下のような仕組みで動きます:資産と費用は「借方が増加、貸方が減少」。
負債・純資産・収益は「貸方が増加、借方が減少」。
【ポイント】
正確な記録の基盤
仕訳の仕組みを理解すれば、どの取引がどのようにお金の流れに影響を与えているのかを正確に記録できます。これは、事業の収益性や財務状態を把握するうえで欠かせません。ミスを防ぐためのルール
借方と貸方のルールを守れば、帳簿の記録ミスを防ぎ、取引が漏れなく記録される安心感を得られます。実務での応用性
勘定科目を正確に使えるようになることで、財務諸表の読み解きにも役立ちます。
簿記の基礎スキルを磨き、実際の帳簿作成や財務分析への応用力を身につけられると経営者との会話に深みが増します。