【一日一文】ナイチンゲール「もっと子供に解放と自然を与え」
5月12日。
「クリミアの天使」と呼ばれたイギリスの看護師フローレンス・ナイチンゲールの『看護覚え書』から、一文をご紹介します。
木田氏編纂の本「一日一文」では、看護の一環として、子どもの健康を守るための記述が紹介されています。
19世紀のロンドンでは、産業革命の影響でスモッグが頻発しました。大気汚染は深刻で、多くの健康問題が生じていたのです。ナイチンゲールはロンドンの子どもたちのため生活環境を整えると同時に、教育のための助言も行っていたことに驚きました。子どもの生きる力を信じる言葉に、私も希望を持てたのです。
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フローレンス・ナイチンゲールは、近代看護教育の母を呼ばれています。クリミア戦争のただ中に、多くの看護師を率いて、自ら負傷兵の看護にあたりました。
また看護の思想を構築し、統計学にもとづく医療衛生の改善に尽力した人物として知られています。それまで地位の低かった看護師を、健康にたずさわる専門職として引き上げた功績は大きいのです。
実際に『看護覚え書』は、看護師を目指す学生や看護教員に、今でも広く読まれています。健康や生命を守る法則だけではなく、看護師の役割について明記された、はじめての本になるからです。私も、看護学生のときに精読した一人です。
ナイチンゲールの誕生日である5月12日は、看護の日として制定されています。看護師の役割やおかれている現状について、関心を持っていただけると幸いです。
「一日一文」不定期に更新を始めます。
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂の本「一日一文」から、心にとまった先人の言葉をご紹介したいと思います。
ひとつは自身の学びのため。
ひとつはすこしでも豊かな気持を分かち合うため。おつきあいいただけると幸いに思います。