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Interviews by Mitsutaka Nagira

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音楽評論家 柳樂光隆による国内外のアーティストのインタビュー記事が読めます。
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#jazz

interview Stella Cole:Z世代が歌うスタンダードが届ける時代を超えた”癒し”

2020年代の、もしくはパンデミック後、興味深い流れがいくつもあった。その中のひとつがTikTokやYouTubeもしくはInstagramなどでのショート動画で人気が出たアーティストだった。その多くは20代前半。若いアーティストばかりだったが、そこで興味深かったのが、トレンドとは無縁と思われる過去の音楽からのインスピレーションだった。 例えば、レイヴェイ(1999年生まれ)。いわゆるグレイト・アメリカン・ソングブックと呼ばれる1930-1950年代ごろの映画やミュージカル

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interviews and artcles Julian Lage 2017 - 2024 by Mitsutaka Nagira

柳樂光隆が担当したジュリアン・ラージ関連の記事を集めました。 interview◉2024 ジュリアン・ラージのジャズ・ギタリスト講座 Vol. 2 ギターを弾く喜びを教えてくれた先人たち ◉2024 ジュリアン・ラージが語る、ジョー・ヘンリーと探求したアメリカ音楽のミステリー ◉2024 ジュリアン・ラージのジャズギタリスト講座 音楽家が歴史を学ぶべき理由とは? ジュリアン・ラージのジャズギタリスト講座 音楽家が歴史を

¥300

interviews and artcles Jon Batiste 2020 - 2024 by Mitsutaka Nagira

柳樂光隆が担当したジョン・バティステ関連の記事を集めました。 interviews◉2024 「ベートーヴェンからアフリカのリズムが聴こえる」ジョン・バティステが語る音楽の新しい可能性 ◉2023 ジョン・バティステが日本で語る、世界のカルチャーを横断する音楽観とその裏にある哲学 ◉2023 ジョン・バティステが語るワールドミュージックの再定義、多様な音楽文化をつなぐ秘訣 column / article◎2024 Column:Jon Batiste - Beeth

¥300

interview Esperanza Spalding:ミルトン・ナシメント、仏教、そして、脱植民地主義

エスペランサ・スポルディングが音楽シーンにおける、というか、少なくともアメリカのカルチャーにおいて最高の才能のひとりであることは否定のしようがないだろう。そんなエスペランサがミルトン・ナシメントとの共演作を発表した際に幸運にも取材することができた。以下のRolling Stone Japanの記事でそれを読むことができる。 短い時間だったが、ミルトン・ナシメントとのエピソードだけではなく、ウェイン・ショーターとの関係、アマゾンの先住民の権利を侵害する法律の制定に反対する曲を

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interview Jharis Yokley:ホセ・ジェイムズが発掘し、BIGYUKIを魅了する新世代ドラマー

ジャリス・ヨークリーの登場は鮮烈だった。 クリス・デイヴ、ネイト・スミス、リチャード・スペイヴン。現代を代表するドラマーを自身の作品に次々に起用してきたホセ・ジェイムズが突如無名の若者をレギュラードラマーに抜擢したからだ。 ホセのライブを観れば、彼のバンドにおけるドラマーの重要度は一目瞭然。ホセの音楽は誰をドラマーにするかでそのクオリティが決まってしまう、と言っても過言ではない。そんな責任重大な席に座ったのがジャリスだった。 ジャリスはそんな期待と不安が混ざり合った状況

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Interview Jeanette Wong (SFJAZZ):ジャズの博物館ではなく日常に取り入れられる音楽の提供のために(7,500字)

サンフランシスコにはSFジャズという団体がいて、彼らが運営するSF ジャズ・センターは西海岸ジャズの拠点になっている。 彼らはSFジャズ・コレクティヴというグループを運営していて、その活動はアメリカのジャズシーンにおいて重要な意味を持っている。SFジャズ・コレクティヴが特別なグループであることは以下の別記事で解説しているので是非読んでほしい。。 ここではそのSFジャズ・コレクティブを運営しているSFジャズについて深堀するために、Associate Director、Art

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interview Antonio Sanchez:"Shift"で示したプロデューサーとしての進化とメキシコ人としてのルーツ

アントニオ・サンチェスといえば、2010年代以降のパット・メセニーの音楽に欠かせないパットの音楽の最重要パーツのひとつであり、世界最高のジャズ・ドラマーのひとり。 そんなアントニオは映画『Birdman』の音楽を担当し、そこから徐々に音楽性が変わってきた。 ドラムだけで様々なシーンの感情や意味を表現した前代未聞のサウンドトラックだった『Birdman』での作業はアントニオ・サンチェスに作品を作りこむことの魅力を発見させることになった。その結果、ひとりで多重録音と編集を駆使

¥250

interview SYLVIO FRAGA:現代アフロブラジレイロ・ジャズの気鋭レーベルを率いる奇才が語るホシナンチとレチエレス

これまで歴史は欧米の白人中心の視点や価値観で書かれてきた。それをアフリカ系やアジア系も含めたあらゆる人々の視点も考慮した上で、再び編み直そうという試みが世界中で増えていることは多くの人が感じていることだろう。それは音楽においてもかなり顕著で、過小評価されてきたり、失われていたヘリテージ(文化遺産)の価値を引き上げ、ふさわしい評価を与えようとする流れは年を追うごとに強まっている。アメリカの状況を追っていると、アフリカ系アメリカ人によるヘリテージの価値を見直す動きは日々行われてい

¥300

interview Rafael Martini:そもそもブラジルの音楽はシステムから外れた方法で作られている

 2010年代初頭にブラジルの新世代が発見され、「ミナス新世代」として日本に紹介された。そのきっかけはマルチ奏者のアントニオ・ロウレイロ。彼の音楽の新鮮さはすぐにリスナーの間に広がり、彼と共演しているブラジルの同世代の豊かな才能たちが芋づる式に発見されていった。彼らの何人かは来日も果たしたし、アレシャンドリ・アンドレスやハファエル・マルチニらに関しては日本盤のリリースもあった。2010年代半ばには現代ジャズの最重要人物の一人でもあるギタリストのカート・ローゼンウィンケルが自作

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Special feature:ロバート・グラスパー Black Radio 3

◉概論:ロバート・グラスパー 知っておくべき5つのポイント◉レビュー:『Black Radio 3』前2作とは異なる制作プロセスと、シグニチャーを利用した連続性◉コラム:ロバート・グラスパーと『Black Radio』の新しくなさ◉相関図:Family Tree feat. BLACK RADIO III※相関図の印刷版は全国のジャズ喫茶、カフェ、バーなどで無料配布中 ◉インタビュー:歴史を塗り替えた『Black Radio』の普遍性(Web & Rolling Stone

interview Dayna Stephens - デイナ・スティーヴンス:自分の楽曲は、様々なアーティストによって語られ、歌われる「ストーリー」のようなもの

Jazz The New Chapterでは現代のジャズをより深く知るためにサックス奏者を取材し続けていて、5ではサックス特集をしっかりやりました。その中でもデイナ・スティーブンスにはいつか取材したいとずっと思っていました。 その理由は彼のサックスや作品が素晴らしいこともあるけど、理由はそれだけではなく、例えば、EWI(ウインドシンセサイザー:管楽器のように息を吹き込んで演奏するシンセサイザー)を吹いている現代ジャズ・シーンのサックス奏者としてEWIについて聞いてみたかった

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Interview:ジェイソン・モランとスケートボードとジャズ"Both Skating and Jazz are created in the moment."

自身もかつてスケーターだったというジェイソン・モランは過去のインタビューなどで何度もスケートボードについて語っているだけでなく、彼はジャズの生演奏とスケートボード・カルチャーの融合を試みるイベント、”Skateboarding”をアメリカで企画しているほどのスケートボード愛を持っている。 彼はジャズとスケートボーディングは「創造性・身体性・即興性」などに共通点があるとも語っていて、その二つのカルチャーを交差させるために、これまでワシントンD.C.のケネディー・センターや、サ

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Interview Nitai Hershkovits : ソロピアノ『New Place Always』とニタイ・ハーシュコビッツのルーツのこと

ニタイ・ハーシュコビッツはイスラエルを代表するジャズピアニストの一人だ。 イスラエル国内でも高い評価を得た後に、イスラエル・ジャズの第一世代で、いち早くUSへ進出し、世界的な成功を収めた巨匠でもあるアヴィシャイ・コーエンのバンドの不動のピアニストだった天才シャイ・マエストロの後釜に就任したのがニタイだった。アヴィシャイの『Gently Disturbed』『Aurora』『Seven Seas』といった2000年代の傑作に大きな貢献をしていたシャイの不在をすぐに忘れさせてし

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Interview Lauren Desberg:ローレン・デスバーグ:ブロードウェイ・ミュージカル、カーペンターズからR&Bまでを繋ぐ歌とジャズ

グレッチェン・パーラトやベッカ・スティーブンス、カミラ・メサなどなど、様々な個性のヴォーカリストが次々に現れるジャズシーンの中でローレン・デスバーグはちょっと異質だった。なぜなら出てきたときに「グレッチェン・パーラトに師事」というコピーがついていたからで、「グレッチェン、若手枠なのにもうそんなポジションかよ」的に驚いたし、ローレン自体もずいぶん個性的だったからだ。今思えば、グレッチェンの『Lost & Found』以降、とも言えるサウンドでもあるのだが、その楽曲や歌、録音やミ

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