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160 美術教育だと当たり前に対象になっている生徒を、数学教育では透明にしてしまっているのが、残念なんだろうな。

僕は数学授業がつまらなくなる理由は、解決を焦って「これはこうやってやればいいんだよ」と僕らが言ってしまうからではないだろうか。

部活動だと大人が「いやー、それはさー、こうやってこうやってこうするといいぞ」と言うけれど、それでうまくいって喜ぶのは大人であって、当人ではない。「ほら、言った通りにしたらできたでしょ?」と言われると、さらにその気持ちは強くなるはず。

言うこと聞かせようとした言葉じゃなくて、ポッと置いたり、ふわっと言ったり、ぼそぼそっと言ったりしたことを「その方がいいかも」と思えるまで、僕はちゃんと待ってあげたい。
簡単な問題も解けなくて、ではない。簡単な問題だけど、自分のつまづきにちゃんと向き合って「あーかな、こーかな」と考え続けている時間が大事なんだ、と僕は思う。
セルフアドボカシーという言葉を知って、そういう言葉も、ちゃんと数学教育の関心事になってほしいな、と願う。美術教育だと当たり前に対象になっている生徒を、残念ながら数学教育では透明にしてしまっていると感じる。その問題意識を、みんなと共有したいんだろうな、ずっと。