【出張グルメ】北海道・帯広駅で香ばしい豚丼
帯広駅を降りると、どこからかともなく香ばしい匂いが漂う。帯広名物の豚丼だ。肉を焼く匂いに、ほんのり甘そうなタレの香り。
ここはぜひ食べたい。昼どきには、行列する人気店だ。皆、この香りに引き寄せられるのだろう。
帯広駅続きのお土産コーナーに店を構える「ぶたはげ」本店。
昭和9年創業。香港にも2店舗あるらしい。豚丼は海を超えている。
着丼まで、箸袋で豚丼の歴史を読むと
「開拓時代、帯広では『牛は牛乳、馬は馬力、豚は食料』とされ、昭和初期、洋食調理人数人がウナギの蒲焼をイメージし、完成させたのが豚丼。帯広に暮らす人々の変わらぬ開拓精神とともに根付いてきた食べ物」
と書いてある。
なんとも香ばしいのは、ウナギ蒲焼き由良か、と納得した。この香り、我々は皆好きだ。
850℃の高温で1枚1枚、網焼きしているという。3代にわたり受け継がれ、八十余年つづくという秘伝のタレが、ごはんにも染みている。分厚い肉がうまい。香ばしい。ごはんがうまい。もっと食べたい。香ばしい。一気に掻き込んでしまう。確かに、これは名物だ。秘伝のタレ、これは門外不出、秘伝だろうと納得する。
豚肉の圧倒的存在感に打ちのめされた。香りのインパクトに勝らぬ、丁寧な味に感動した。ぶたはげ。名前もリズム感があり、幾度となく呟いてしまう。