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アーユルヴェーダの古代経典にある定義と概念

アーユルヴェーダ(आयुर्वेद)はユナ二医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学の一つでありインドが発祥の地の伝統的医学です。
近年では予防医学として世界保健機関でも推奨されています。

※アーユルヴェーダはサンスクリット語で書かれたいくつかの経典をヒンディ―語にして、そこから英語に翻訳された後、更に日本では日本語に翻訳されたいます。実際のサンスクリット語で書かれた文献が英語に翻訳され、それを日本語にすると本来の意味を一言では言い尽くせないため、アーユルヴェーダを学ぶ時、教えてくださる医師や教授は有名で大切な個所をサンスクリット文字を英語にしたものを生徒に伝えます。
そのもっとも有名で知られているいくつかをこの記事で解説していきます。
アーユルヴェーダは実際に生活に取り入れながら五大元素を意識することで時間をかけながらだんだんと理解していくものです。


アーユルヴェーダの定義

1.Ayusho Veda Ayurveda - Vid Dyyne, Labhe Cha.
生きるための智慧を得ることをアーユルヴェーダと呼ぶ。
2. "Hitam Sukham Ayustasya Hitahitam. Manmuch Tra Yatroktam Ayurveda Sa Uchyate "                                                                                ~ Charak Samhita

チャラカ・サンヒタ-はサンスクリット語で書かれた古代の経典のひとつです。
アーユルヴェーダは生命の科学であり、チャラカサンヒターには「生命には4つのタイプがあり、何が有益で何が不利益か、幸福な人生と不幸な人生とは何か、生命にとって何が良いのか、悪いのか、何が長命を招き、何が短命を招くのかを述べる学問である」のかが説明されています。
 
4つのタイプとは
Hitakar 利点 利益
Ahitkar 悪影響
Sukhkar 心に対しての良い喜び。良い香りなど
Dukhakar 心に対して悪いこと。 悲しみ、苦しみで命が短くなる。

アーユルヴェーダの目的
Swasthasya Rakshanam. Aturasya Vikarprashamam cha                                                                          Charak Samhitaこの意味は
1.健康な人の健康的な生活を維持するために
2.病気の人の病気を治すため

Swastha (健康) の定義

" Samdosha Samagnischa Samdhatu Malkriya.Prasanna Aatma Indriya Mana Swastha iti Abhidhhiyate "                                                                   
Sushruta Samhita※医学と手術に関する古代の経典。

この意味はバランスの取れた体の状態、至福の魂の状態、満足のいく感覚、そして幸せな心の状態を維持する人は、スワスタ(健康)な人です。

Sam サマ  ー バランスのとれた
Dosha ドーシャ ーヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャ
Agni アグニ ー 消化器系の火(消化、同化、代謝)
Dhatu ダハトゥ ー 体のすべての組織と構成要素
Mala マラ ー すべての排泄機能 、体の老廃物(排尿と排便 )
Kriya クリヤ ー 適切なメカニズム/働き
Prasanna プラサナ ー 喜び/ 理想的な習慣
Aatma アートマ ー 魂
Indriya インドリヤ ー 5つの感覚器官+5つの運動器官
Mana マナ ー 心
Swastha スワスタ ー 健康
Abhidhiyate アビディヤーテ ー ~として定義されている

・健康の定義は2つのレベルで次のように説明されています。
1.身体と精神
2.身体の健康 ー 3つのドーシャとアグニと7つのダハトゥとマラが正しく働くこと
3. 精神的な健康 ー アートマーとインドリヤとマナが理想的な方法で働くこと、すなわちアーユルヴェーダは身体、心、魂の全ての健康を定義しています。

アーユルヴェーダの概念

" Loka Purusha Samya Siddhanta  "   ~Sushruta Samhita
宇宙と人間は同じであるという概念。

Loka ロカ - 宇宙 
Purushプルシャ ー 個々の人間
Samya サーミヤ ー 似ているもの、同じもの
Sidhanta シッダンタ ー 概念

" Visarga Aaden Vikshepa Sama Surya Anila Yatha Dhrayanti Jagat Deham Kapha Pitta Anila statha "     ~Sushruta Samhita

宇宙では力を与えたり力を奪う太陽、月、風 である ピッタ、カッファ、アニラ (ヴァータ)の3つの働きが行われていて、人間の身体の中でも同じようなことが行われているという意味です。

身体の中でも宇宙と同じことが行われています。

Visarga ヴィサルガ - 力を与えるもの、いわゆる体力を与えるものAaden アーデン ー 力を取るもの、いわゆる体力を奪うもの
Vikshepa ヴィクシェパ ー 動き
Jagat ジャガット ー 維持すること
Deham デハム ー 人間の身体

Pancha Mahabhoota Siddhanta パンチャマハブータ ー 五大元素

宇宙と人間に存在する基本的な五大元素をパンチャマハブータと呼びます。

Pancha パンチャ ー 5つ
Maha マハ ー 大きな
Bhoota ブータ ー 構成要素
Siddhanta シダンタ ー 理論

五大元素ー
1. Pruthvi ー密集したもの、固形、例。石
2. Aapa ー 水、液体、流れ、
3. Teja ー火、明るさ
4. Vayu ー 動き4.Aakasha  ー 空間

人間の身体には次のような元素があります。
人間の身体の中の5つの要素
1.Pruthvi ー 骨、髪の毛
2. Aapa ー  リンパ液、血液
3. Teja ー 消化力
4.Vayu  ー 関節の動き、血液循環
5.Aakasha  ー 胃、膀胱、内臓、肺

簡単に言えば、人体の構造は五大元素でできている、したがってアーユルヴェーダは解剖学を五大元素の形で説明します。

身体の構成要素" Dosha Dhatu Mala Moolam Hi Shariram"   ~Ashtang Hrudaya Samhita
アーユルヴェーダはドーシャ、ダハトゥ、マラから生理学を説明しています。

Tridosha Siddhantaー 

Tri ー 3
Dosha ー人間の身体の中で働いている機能
Sidhanta ー概念

身体の3つの要素をドーシャと呼びます。
"Vayu Pittam Kapha cha iti Trayo Dosha Samasaha"                                     ~Ashtang Hrudaya Samhita

Vata ー 動きの起こるもと

 Pitta ー 消化や代謝の起こるもと

Kapha ー 耐久力、体力、力の起こるもと

宇宙全体は五大元素で構成されているため、ドーシャも同じように派生した。

トリドーシャと五大元素ー1.Vataー動き+空間2. Pittaー火+消化3.Kaphaー固形+液体それぞれのドーシャは更に場所と活動に従って分けられる。

以上、チャラカサンヒターやスシュルタサンヒターにあるアーユルヴェーダの定義と概念を解説しました。


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