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詩集

16
芸術と愚痴が混在する散文詩
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#詩を書く人と繋がりたい

開花

風が枝から葉を払い春を迎える支度をする
今日は綺麗な冬の空
あらゆる兆しを感じながら
僕は僕だけが変わらないことに焦る

風が木の葉を巻き上げて冬を連れていく
今日は綺麗な冬の空
あらゆる兆しを感じながら
僕は僕が萌芽するまで寄り添う

錆び

憎しみとは錆びである。
時と共に侵食し、その身を覆い尽くす。

記憶

震える神経で歌う叙情
些細なことに掻き乱されて
曖昧なものはそのまま

君の目を見て未来を思う
君の目を見て未来を思う

寂しさ隠して笑うだけ
寂しさ隠して笑うだけ
酔えない僕の強がりか

月夜の樹影に鳴り響く
魂の叫び声を聴く
その声に遠い記憶が揺れている
かつての僕が思い描いた未来