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双極Ⅱ【くすりについて思うこと】
双極Ⅱと診断されて約4年。
いろいろと、本当にあらゆる薬を試した。
嘔吐恐怖症のため、副作用の吐き気に耐えられずに挫折が頻発し、初期からお世話になっているのはミルタザピン(リフレックス・レメロン)。
太る、眠いの副作用がよく見かけるNaSSA系の抗うつ薬を4年飲んでいる。これだけは唯一ずっと続けられている(消化器系に優しい)。
副作用はどうなのかというと、私はまったく太らず。むしろ開始時が55kg→48kgになった。
眠気も、飲んで2時間くらいはうとうとすることもあれど、抗えないほどの眠気はない。
食欲は確かに時折くるけども、飲み物でも飲めばおさまる程度。かなり個人差があるようだ。
双極にマストな薬である、気分安定薬のバルプロ酸とリーマス(炭酸リチウム)は副作用で続けられず、いまは症状に合わせてオランザピンとクエチアピンを調整していただいている。
極度の不眠なため睡眠薬のゾルピデム、不安時頓服のロラゼパム。
ベンゾジアゼピン系は依存の副作用が良くないと言われているし、一度断薬も成功した。
あちこちで、ベンゾの恐怖を煽る記事が溢れている。日本以外ではすでに使われていない危険な薬だとか、廃人になるとか。
私もそれに誘導されて、ベンゾを絶ったことがある。
まあ確かに辛かった。半年ほどはボロボロになったが、辞められはした。
だけども、抗うつ薬や向精神薬では代替出来なかった。私の場合は。
パニックは悪化し、常に不安。そわそわして躁が出やすくなった。
教科書通りにはいかないのだ、人体や脳や心は。
結局2年後、再開した。
薬はなるべく飲まないほうがいい。我慢出来るなら、したほうがいい。そんな圧が日本では特に強いような風潮があるように思う。
私もそれを踏襲していて、必死で我慢した期間が長くあったが、結局病み、悪化したのだから本末転倒である。
辛い思いして、ストレスに耐えて生活出来なくなって、マゾヒスティックな状況を自分で作ってどうするんだ。
我慢しすぎてボロボロになった私は、突然悟ったのだ。というか、何してんだ、私って呆然とした瞬間が来た。
過呼吸起こして胃痛と腹痛、肩こり頭痛、希死念慮、自傷衝動でぱんぱんに心も頭も、膨らみすぎた風船みたいになっていた、冬の道端で、頭にぽーんと言葉が浮かんだ。
こわ。思い出すと軽くホラー。
近所のかつやの駐車場横で、アラフィフの女が真っ青になって何を。不審人物だ。
泣きながら自販機で水買うつもりで何故かほっとレモン買っちゃって、震える手でキャップ外して落とし、ずっと飲まないのにカバンに入れてたロラゼパム1錠出して、甘酸っぱい液体で飲んだ。
1時間後には、胃痛と焦りが和らぎ、お腹すいたな、ごはん!って思えた。
現金極まりない。
でもコンビニで梅干しおにぎり1個買って、もそもそ食べて、ああ美味しいと噛み締めて、幸せだった。
我慢して得られたものはなく、我慢せずに薬飲んで幸せを得た。
その日から、適性内の服薬ならいいだろうよ、と我慢するのをやめた。
飲んだときと飲まなかったときの心と体のQOLを考えたら、我慢して辛い思いをするなら、適正範囲で飲むメリットを取ることにした。医師は私の主張を尊重してくれていたので、すぐ処方してくれた。
たとえ十年後に悪影響が出たとして、「あのとき飲まなければよかった」と後悔する?
起こるか分からない不確定な未来のために仮に十年間、苦痛に耐えて生きたほうがいいのか?
いや、短絡的と言われようと今楽なほうを選べるならば選んでもいいじゃないか。
自分の人生だから。
薬を飲むのは怖い。
でも飲んで回避出来る苦痛があるなら、天秤かけて、楽なほうを選んでいいんだ。
がんになった今だからこそ、心底薬の力にたすけられている。