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ワインコラム35:餃子はパスタである
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Ryoko Sakata
餃子は好きでよく食べるのだが、何時の頃からかご飯と一緒に食べなくなった。餃子定食を食べなくなったのだ。
中華圏では、もともと餃子はそれのみで食されている。しかし、そういったことが理由で白米を避けているわけではない。何となく合わないように感じたのだ。餃子の皮が、白米を拒絶しているように感じられたのだ。ご飯のおかずとしてそぐわない気がした。
考えてみれば、餃子は皮で具を包んだパスタと考えるのが自然だ。
一般的に、パスタとご飯を一緒に食べることは無い。
餃子のルーツは中国であるが、地方によって餃子の皮は変わってくる。
最も薄い皮は、香港の飲茶で出てくる餃子だ。香港人の好きな蝦餃(ハーカウ、海老餃子)は海老の赤が透き通るほどだ。
厚めの皮はと言うと、私の食べた中では満州系の餃子のそれが群を抜く。5個も食べれば満腹になりそうなボリュームがある。
満州系の餃子はパスタと考えて最も無理がない。あのムッチリした皮を噛めば、白米のことは思いもしないのだが・・・。
数年前に、満州系の餃子で有名な店に行った時のことだ。私の目の前にはいつものように餃子とビールがあった。
後から入ってきた老夫婦が餃子とご飯を注文した。私は、「エッ、それは無理なのでは!」と一瞬思った。その後、ご夫婦は完食したようであるが、「餃子とご飯」と言う事が、日本人の中に深く刷り込まれていることを目のあたりにしたのであった。
調理の仕方でも、中国では蒸し餃子や水餃子が主流で、焼き餃子の比率は少ない。それぞれ単体で食べられている。
そんな餃子が貧しかった頃の日本に伝わった時、お腹にたまるようご飯と一緒に食べる習慣が根付いたのかもしれない。それから数十年、餃子定食は一般化している。
しかしお酒の好きな方は、餃子とビールを合わせることにした。
お酒の種類の少ない時代だったので、必然的にビールに行きついたといえる。しかしそれがグッドチョイスだった。
カリッとした食感の、香ばしく焼いた皮とビールは相性が良い。「餃子にはビールが一番合う」と思っている人は少なくない。私も餃子を食べる時はもっぱらビールである。
ワインはどうだろうか?
ワインに関連する事柄を調査したり実験(試飲)して、その結果を数枚のレポートにして顧客に配っているインポーターがある。ある回のレポートに「餃子とワインの相性」があった。餃子と数種類のワインを試した結果がまとめられていた。
それによると、餃子と相性の良かったワインは、イタリアのキャンティとクレマン・ド・ブルゴーニュと表記されている。早速その週末キャンティを仕入れ、餃子を焼いて試してみた。100%合うとまでは言い切れませんが、中々の相性でした。
餃子をパスタの一種と考えれば、イタリアワインと相性が良いことは当然の結果と言えるかもしれません。