【短歌ネプリ】数学短歌の有料化に失敗したので
数学短歌のnote有料化からネットプリント化への記事です。
ネットプリントや短歌に興味があり、デーデキントに馴染みがある人が楽しめる内容になっています。
数学短歌をnoteで有料化
2024年から2025年になる年末年始、私は数学にまつわる短歌を作りました。題して数学短歌、そのままです。
年末年始ということもあり、普段とは違ったことがしたくて、note記事を有料化
そのまま2025年の1ヶ月が経過し2月1日となり、
販売実績 1
買ってくれた方には感謝しかありません。しかし1ではどうにも。
早々に撤退か?
私は単なる会社員、短歌でも数学でも知名度ゼロ。どう記事を訴求していいのか分からない。そもそも誰に?
短歌界隈にも数学界隈にも知り合いはいません。数学短歌を読んでくれる人に心当たりがない。
あまりに無力。撤退か?
スマホの待ち受け
この1ヶ月ほど、私は自分の数学短歌をスマホの待ち受けに。スマホの待ち受け画面は有料記事にて公開中。
スマホをONにする度、画面には数学短歌。文字があれば読む、それは人間の条件反射です。多くは黙読し、ときどきは口ずさむ。この1ヶ月、毎日、毎時、数学短歌を読んでいました。
1ヶ月間、数学短歌への愛情は熟成され、膨らんだ。膨らみきった。発酵して旨味が溜まりきっていた。
数学短歌の魅力、これを世間に伝えたい。
とはいえ策は思いつかない。
そしてたどり着くネットプリント
とりあえず非有料化
有料がダメなら非有料、凡人の発想です。
そんなある日、ネットプリントなるものの存在を知りました。
短歌界隈の人にはスタンダードのようなものらしい。
早速、数学短歌のネットプリント用の画像を作ることに。
8分割のミニ本がおもしろそう。
平日には会社員、しかも紙の文化が残っている職場で管理職をしている私は、紙印刷する資料作りは得意。Canva上でA4サイズを指定し、8分割の線を書き、短歌を各場所に配置し、PDF形式(印刷画質)でダウンロード。
ダウンロードしたPDFファイルをネットプリントのサイトに登録。コンビニへ行き、そして印刷。
コピー機から数学短歌、ちょっとカンドー。白黒は20円です。
家に戻り、折って、切って、整えて、ミニ本の形式にしました。
一枚の紙が本になる、これ考えた人、天才です。でも紙には厚さがあるので、折った際に少し歪みが生じてしまう。この歪みを考慮して折り線を微妙にずらして引けばいいのですが、紙を均等でなく折るのは難しいので、その微修正の効果は小さいと判断して不採用。
数学短歌のネットプリント
ネットプリントのトライアルに成功。
晴れてネットプリントで公開します。
【印刷コンビニ】ファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ローソン
【用紙サイズ】 A4
【期限】 2025年2月1日-2025年3月2日(30日間)
【印刷方法】
1 下のQRコードを持ってコンビニへ行く
(このページを表示すればOK)
2 コピー機の画面でネットワークプリントを選択
3 QRコードを読み込ませる
4 「文書プリント」を選択
5 「数学短歌デーデキント20250201」を選択
(ファイルは1つしかありません)
6 印刷設定確認 設定してあります:白黒、両面なし
7 支払 20円
8 印刷
せっかくなので、PDFファイルをここにもアップしておきます。画像は周囲の印刷されない部分の余白も考慮してA4フルサイズにしてあります。印刷時には、"そのままのサイズ"で印刷してください。
ネットプリントであれ個人印刷であれ、印刷した方はコメント欄にてご連絡いただけると嬉しいです。
八つ折りの折本
私が作ったのは八つ折りの折本です。1枚の紙が8ページのミニ本になります。
【折り方】
1 折る
すべての直線を山か谷に折ります。表紙がすべての表になるので、表紙と隣のページの間の線は縦も横も山折です。ページの山折の反対の折るところは谷折です。山折、谷折と交互に折っていきます。
2 切る
折る前にカッターで切ってもいいのですが、折った後にハサミで切った方が楽です。切る線は、長手に沿って中央2マス(両側1マスは切らない)です。その2マスだけをハサミで切るにはどう折った状態で、どう切ればいいのか、ちょっとしたパズル感覚です。
3 整える
本になるようにぎゅっとして、整えます。
折本ネットプリントでのオススメ
なお折本のネットプリントは、ネットワークプリントサービスがオススメです。折本は、印刷後に折って切って製本するので、"そのままのサイズ"での印刷ができないと、元の画像の作成がややこしいです。上記サイトはそれができました。
折本の上下の向き
多くのサイトでは、八つ折りで本にしたときに下開きになる方式(下開き方式)を採用していました。この方式だと本の上側に折り目がきます(自分で折って作ってみると、私がここで何を言っているのかが分かります。ぜひ作ってみてください)。
私の感覚では反対の方が、つまり上開き方式が読みやすです。私のネットプリント本はそうなっています。みなさんどうですか?
おわりに: なぜデーデキント?
デーデキントは、「デーデキント切断」で有名な天才数学者です。数の連続性を定義するのに、一旦、切断してみた人。
繋がりを説明したいときに切ってみる、その発想の時点で相当に面倒くさい人の予感がしますし、その予感通りに話をややこしくする人です。例えば、「世の中のことは数にすれば理解しやすくなる」というニュアンスのことを言っています。多くの人にとって、数を使わずに説明された方が、絶対に理解しやすいはずです。天才の考える「分かりやすさ」は当てになりません。
デーデキント切断は、とにかくややこしい。切り口を見て、ああだこうだと言う。
高校時代に数学が得意な人が大学の数学科に入学したとして、初めの関門がこの切断です。ここで躓くと高校レベルで終わり、ここを乗り越えると大学レベルへ、という境界線です。この線を越えると見える景色が変わります。それがデーデキント切断。
その切断やら連続やらを乗り越えた先に登場してくるのが、無理数です。無理数は小数点以下に規則性ない数字がどこまでも続く、不思議な数です。どこまでも続く、とても魅惑的です。しかしながら無理数は数学の世界でしか出会うことができません。現実にはそこそこで打ち切られ、どこまでもは続かない。この熱狂は数学世界に限定です。
デーデキントに熱狂している人は、世間とは見えている景色が異なる。でも恋はするはずです。恋せずには生きようがありません。そんな数学短歌「恋するデーデキント」をお楽しみください。
また次の数学短歌でお会いしましょう。