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ChatGPTを使って教員の業務を効率化

ChatGPTの活用(小論文対策)

入試シーズンが近づくと、教員の業務は一段と忙しさを増します。特に、総合型選抜の生徒を持つ先生は、9月ごろからその業務が増加していきます。夏休みや夏休み明けは、入試に関する生徒・保護者からの相談も含め、さまざまな業務が増えていきます。さらに、教科指導や部活動指導、生徒の精神衛生管理、学校行事など、多くの業務が集中する時期でもあります。そして、より一層ミスが許されない緊張感を伴います。その中でも、生徒の入試対策をサポートするための小論文指導や模擬試験の準備は、時間と労力を要する作業です。
今回は、最新の技術を取り入れることで、これらの業務を大幅に効率化することが可能かどうか検証してみたいと思います。今回も、ChatGPTを利用していきたいと思います。


1.ChatGPTを使った入試対策の効率的な進行

小論文の対策は、総合型選抜を始め、多くの入試で取り入れられています。小論文を指導する場合、一般的には、以下の通りだと思います。

  1. 小論文の形式と評価基準の理解
    目的の理解:小論文の目的を理解することが重要。これには、問題提起、意見の表明、理由の提示、例の挙げ方などが含まれる。
    評価基準の共有:評価されるポイントを明確にし、何が求められているかを考えて理解する。

  2. テーマに対する知識の深掘り
    情報収集:生徒が論じるテーマに関連する情報を幅広く収集。
    知識の整理:収集した情報を整理し、主要な論点を把握するスキルを身につける。

  3. 思考力と論理力の強化
    論理的思考:様々な情報から論理的に意見を導き出す訓練。
    批判的思考:他の意見を分析し、評価する能力を鍛える。

  4. 構成力の向上
    構成の基本:序論、本論、結論の流れを理解し、適切な構成を作成する練習。
    明瞭な表現:自分の意見を明確かつ簡潔に表現する方法を身につける。

  5. 実際に書く力の習得
    書き方の基本:文章の基本的な書き方、文法、句読点の使い方を練習。
    草稿の作成:アイデアを整理し、草稿を作成するプロセスを学ぶ。

  6. 模擬試験とフィードバック
    模擬試験:本番に近い環境で小論文の練習を行い、時間管理練習。
    フィードバック:書いた小論文に対して詳細なフィードバックを行い、改善点を洗い出す。

  7. 繰り返しの実践
    反復練習:様々なテーマで小論文を書く練習を繰り返し行う。
    改善の追求:指摘された改善点を修正し、質の高い小論文を書くことを目指す。評価ポイントを意識して。

  8. 実践的な知識の応用
    多角的な視点:複数の視点から物事を考え、多面的なアプローチで小論文に臨む力を養う。
    時事問題への対応:現代の問題やニュースに関する意見を形成し、それを小論文に反映させる能力をつける。

これらの指導を一人ひとりに行うと、先生1人では到底不可能です。多くの学校では、進路指導や国語の先生など、複数の教員が関わって小論文指導を行なっていると思います。そうすることで、1人の業務量は減りますが、トータルの業務量は変わりません。そこで、生成AIツールを利用できないかと思いました。ChatGPTは、自然言語処理を用いて、人間の言葉を理解し、適切な回答を生成するAIです。この技術を入試対策に応用することで、教員は小論文指導や入試の解答例作成などの業務を効率的に進めることができそうだなと。

2.小論文指導におけるChatGPTの活用

小論文は、生徒の思考力や表現力を評価する重要な要素です。ChatGPTを使用することで、教員は生徒が書いた小論文の初稿に対して、即座に改善点や提案を生成させることができます。これにより、生徒は自分の文章に対する即時のフィードバックを受け取り、教員は一人ひとりに対する時間を節約できます。

3.解答例の作成と共有

ChatGPTは、与えられたトピックに基づいて解答例を生成することができます。これにより、教員は様々な入試問題に対する模範解答を素早く作成し、生徒に共有することが可能になります。生徒はこれらの解答例を参考にしながら、自身の答案をブラッシュアップすることができます。

4.入試対策の叩き台としてのChatGPT

ChatGPTは、入試のための叩き台としても利用できます。教員はChatGPTに特定のテーマを与えて、それに基づいた討論のポイントや論点を生成させることができます。これにより、生徒は入試に向けてのディスカッションやエッセイの準備において、より多くの視点からアプローチすることが可能になりそうです。


ChatGPTで大学入試の小論文対策事例

今回は、ある大学の過去問題を使用して、解答例と添削、改善点の提示を行ってみました。

1.過去問題をコピペして、論じてもらう

ある大学の過去問をネット上から収集して、論じるように指示をします。

過去問題
解答例

2.採点する

教育大学の教授の立場から、100点満点の採点をしてもらい、採点理由を示してもらいました。

採点とその理由

3.改善点の提示

採点を元に、具体的な改善点を指摘してもらいました。

改善点

まとめ

今回、過去の問題に対して解答例を作成し、採点、評価、改善点の提示までを行ってもらいました。これは、生徒が書いてきた内容を採点、評価し、改善点を提示する場合にも活用できます。テーマによっては、創造された理論や事実が出てくることもあるそうなので、あくまでも一つの案や叩き台として活用し、情報源の確認を行うようにするようにしてください。それでも、質を落とさず、時間効率良く指導できるのは間違いないでしょう。

ChatGPTのような生成AIツールを活用することで、将来的に、教員は入試対策の質を落とすことなく、業務の効率化を図ることができるようになっていけると考えます。これは、教員が、より創造的な教育活動に時間を割くことを可能にして、生徒一人ひとりに対する質の高いサポートを提供することに繋がるのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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