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こめかみファイテンはなぜ駅伝ランナーに浸透しはじめたのか?

「こめかみにファイテンのパワーテープを貼るといいぞ」と布教活動をしているものです笑 きっかけは2024年の出雲駅伝の写真をまとめてるとき。駒澤大学山川拓馬選手のこめかみにファイテンを見つけたことがはじまりです。

もともと、ファイテンのヘヴィユーザー時代のある私は「理屈はわからんけど、貼ると楽に走れる」と喉や肩甲骨や腹筋や腸脛靭帯に沿ってなど、マラソン大会の度に体中にファイテンを貼りまくっていたのでありました。ファイテン熱が冷めたのは、海外マラソンに出場するようになったころ。当然のことなのですが、スタートラインに立つと、周囲にファイテンを誰も貼ってる人がいないのです笑 それまで経絡秘孔の数だけファイテンを貼りまくっていた私ではありますが、海外レースを機に徐々にファイテンの数は減っていき、いつしか貼らなくとも、普通にレースに出るようになりました。バイバイファイテン(パワーテープ)。これで卒業だよと。

卒業からかなりの年数が経過した2024年秋。山川選手の「こめかみファイテン」を見てふと思い出したのです。「引き出しの奥にファイテンあったはずだ」と。引き出しを開けると10年近く前に買った「パワーテープ X30」のボックスが見つかりました。一箱の500枚のパワーテープが入っているのです。ボックスを空けてみると、まだ50枚ほどパワーテープが残っていました。「確かファイテンの効き目は半永久だったな」10年近く前に買ってあったパワーテープをこっそりこめかみに貼ってみることにしました。ちょうど「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド」の執筆にとりかかっている最中でしたので、その日はこめかみにファイテンをつけたまま一日中デスクに座って「赤福活動」とか「九学魂」という単語にふざけたショートコラムを書き続けるということをやっていて、すっかり「こめかみファイテン」のことも忘れて、そのままベットにバタンキューと寝てしまったのです。

翌朝目覚めると、なんだかいつもより格段に目覚めが良いことに気づきました。風呂にも入らずに倒れ込むように寝たはずなんだけど、なんだか頭がすっきりするのです。いつもなら、軽く二度寝をするところなんですが、目覚めがすっきりしているから、そのままPCの前にいき、昨日の続きを書き始めたところで気づくのです。「もしかして、こめかみファイテンのせい?」と。根を詰めて書き物をしていると、身体は全く疲れていないのですが、脳がつかれてつかれて、身体が動かないということがよくあるのです。しかし、この日の朝は明らかに違った。もしや、ファイテンが脳に直接働きかけたのか?そんなことはありえない。とはいえ、冷静に考えると、身体は服や布団であたためることができるけど、頭はいつもむき出しのまま。そもそも頭は冷えて血流も悪くなりがちであろう。こめかみにファイテンを貼ってたおかげで視神経の血流がよくなって頭がすっきりしたんだろう。そのように自分では理解をしたのです。

しかし、この日の目覚めはとてもよかった。この感激が忘れられなくて。それから家で仕事をするときや寝る前にこめかみファイテンをするようになりました。一度ハマると過剰になりがちな私は新たにファイテンのパワーテープを買い増しし(今度は1000マーク)自分に貼るだけでは飽き足らず、カバンにファイテンを入れては、会う人会う人に「いや、最近、これにハマってて、こめかみファイテンっていうんですけどね」と、布教活動に勤しむようになりました。新興宗教って、私みたいなやつによって広まっていくのかもしれません笑

たまにEKIDEN NEWSのTwitterで「こめかみファイテン」のことを書くと、「それはパリオリンピックで柔道選手が広めたもので」と、老婆心ながらのリプがつくのですが、私はパリ五輪最中というか、8月から9月中旬までずっとパリにいたものですから、日本の報道などほとんど目にしてないので、「なんだか野暮なこというなあ」とスルーをしておりました。「俺のこめかみファイテンは柔道ではなく、駒澤の山川の影響なのだ」と。

そうこうしているうちに箱根駅伝が終わりました。箱根駅伝においてEKIDEN NEWSでは出走全選手のシューズを特定するという「EKIDEN NEWS野鳥の会活動」があるのですが、今年の箱根駅伝は密かに「こめかみファイテン」チェックも怠ることはありませんでした。全選手のこめかみをチェックできませんでしたが、「駅伝界におけるこめかみファイテン創始者」(と、勝手になづけている)駒澤大学山川拓馬選手をはじめとした、駒大3年生(佐藤圭汰や伊藤蒼唯ら)のこめかみにファイテンの存在を見つけたときは、意味なく小さくガッツポーズをしたものです。

この写真は6区山下りを走る駒大三年生伊藤蒼唯選手の後ろ姿。理想的な「こめかみファイテン」の貼り方をしています。よくファイテンを貼ってる位置を覚えてこの先をお読みください。

後日ファイテンの澤野さんに「こめかみファイテン」のレクチャーを私は受けることになるのですが、そこで聞いた話です。

パリ五輪のあと、やはり「柔道選手のこめかみに貼ってるあのテープは?」ととても話題になりファイテンにも問い合わせが多数来たのだそうです。ファイテンとしても「これは新たなビジネスチャンス!」として、さまざまなスポーツ選手に売り込みを図るのですが、「かっこ悪い」と全く浸透しなかったのだとか。とある大学の夏合宿を訪ねたときは、監督から「みっともないから外しなさい」と、こめかみファイテンを剥がされることも。というわけで、こめかみファイテンは逆風の中からスタートしたのでした。

逆風が微弱な追い風にかわりはじめたのは全日本大学駅伝。終盤、脅威の追い上げで2位となったアンカーの山川拓馬選手のこめかみに注目が集まったのです。それから「あれ、どうなんですか?」と選手たちから聞かれるようになったのですが、それでも「やっぱかっこ悪い」と浸透までは至らなかったのだとか。しかし、「こめかみファイテン」に追い風がやってきます。それは2024年12月のこと。箱根駅伝に出場する大学は長期合宿に入ったり、学内で集中練習に取り組んだりと、周囲からシャットアウトして練習に取り組みます。疲れて免疫が落ちて怖いのは、この時期に風邪やインフルエンザにかかること。ですので、多くの学生たちは練習以外では部屋から出ることもせず、人と会うことも極力減らすようになってきます。やることといえば、食事をして、リカバリーをして、寝ることくらい。娯楽といえば、スマホをいじったり、ゲームをしたり、ネットフリックスをみたりすること。ここが「こめかみファイテン」躍進のきっかけでした。

身体の疲れをとるノウハウは各大学揃ってる。しかし、目や頭の疲れまでは及ばない。小さいスマホでゲームをしたりサブスクを見てたりすることで、目や頭が疲れきった学生たちに「貼ってみる?」と澤野さんが「こめかみファイテン」を施すと、翌朝、学生たちが「むっちゃ目と頭がすっきりします!」と効果を実感するようになり、「俺も俺も」とつける選手が増えていったのだといいます。今回の箱根駅伝では「こめかみファイテン」ランナーは12名が確認されています。

この「こめかみファイテン」が面白いのが、これまでアスリート需要であった、ファイテンが、私のような頭と目を使う人に有効だったということです。ファイテンマスターこと澤野さんに「理想な貼り方」で貼ってもらいました。理想はこめかみだけでなく、目の疲れにつながる首裏の上から付け根、そして肩にかけて貼ると。6区を走る伊藤選手が貼ってる箇所がとても参考になるでしょう。

ファイテンマスターに「理想な場所」に貼ってもらうと、すぐに効果がでてきます。それまで、目を凝らしてみてたものが、目を凝らさずにスパッと目に入ってくる。解像度があがったような感じがするのです。今年は世界陸上東京がやってきます。私は1レースあたりだいたい1万枚近くの写真を撮影しますから、全日程9日間で少なくとも9万枚の写真を撮影するはず。今度は目だけでなく、体力も消耗します。こめかみファイテンだけでなく、体中にファイテンを貼りまくって世陸に望むことでしょう笑

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