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学習者用デジタル教科書の使い方と使わせ方
教科書研究センターより、学習者用デジタル教科書活用事例集が公開されています。
学習者用デジタル教科書活用事例集 – 公益財団法人教科書研究センター (textbook-rc.or.jp)
「スタンダード」と「エクストラ」と、2段階に分けて説明されているところがポイントだと思います。その分け方については以下のように示されています。
スタンダードな活用例とは、
①どの教科でも共通して効果的であると考えられる事例。
②多くの教員がその教科でデジタル教科書を使おうとすると思いつく活用しやすい事例。
エキストラな活用例とは、
①その教科の学びを深める活用例。 ②その教科の学びの本質に迫る活用例。
大事なことだと思います。
ただ、私自身は、学習者用デジタル教科書の効果的な活用にあたっては、「教科書が誰のものか」という教科書観の転換が不可欠だと考えています。結論としては、「学習者用デジタル教科書は、学習者のものである。」ということです。
紙は教材、デジタルは学習材
中教審の議論の中でも、「紙は教材、デジタルは学習材」という言葉が出ていました。私の解釈は以下のとおりです。
〇 教材・・・教えるための材料、主語は「教師」
〇 学習材・・・学習するための材料、主語は「児童生徒」
この教科書観の転換が私なりのポイントです。つまり、「教科書の使い方」を学習者が考えるのか、「教科書の使わせ方」を教師が考えるのかということです。
学習者主体の授業を行っていくなら、前者が重要だと考えます。
そうなった時、教師の役割も変わってきます。まずは「単元レベル」で目標を児童生徒と共有することや、デジタル教科書をはじめとした学習環境を整えていくことを重視していくことになるのだと考えます。
とは言え、最初の一歩が大切です。そのためには、本事例集は参考になる部分が多いと思います。