■ 其の150 ■ 能初体験
🔣先週の浪曲に続き、初めて「能」を見に行きました。
場所は同じアステールプラザで、開始時刻も同じ2時。
前回は何の気構えも予備知識もないまま会場に行きましたが、
今回は敷居の高そうな能です。そしていかにも眠くなりそうです。
それもあって、和辻哲郎の名作「面とペルソナ」を読み返し、能の本質と文化人の気分を注入し、中ホール能舞台へと向かいました。
「面とペルソナ」は文庫で7ページほどの文章です。
何度読んでも、解りやすさと難解さ、染み入る感じと高尚さの混在した文に触れることができます。しばらくすると何が書いてあったか忘れてしまうのですが、再読すると水分補強をするように蘇ってくる文章です。
能に関わる部分から一部抜粋します。
🔣さて、これを心に留めて会場に入ったものの、座席は前から11列目。
けっこう距離があり、能面の表情はほとんど感じられませんでした。
正直、睡魔にあらがいながら、能舞台の空気感と世界観をそれとなく味った感じです。
役者だけでなく笛・鼓・謡など全部で10人ほどが舞台上で有機的に作品をつくりあげている雰囲気です。なんだかセッションだなと思いました。‥‥われながら素人感あふれる感想です。
🔣さて帰りは会場を出てから、平和公園を抜けて、繁華街に向いました。
平和公園は世界各地から旅行者が来ている特別な場所です。だけどわたしはただの通行人。慰霊碑前で数秒手を合わせてからすぐに通り過ぎます。同じ場所にいても、ある人には特別、ある人には日常という不思議な感覚です。
ふっと考えました。・・・もしわたしが旅行で合掌造りの集落を訪れたら、物置や用水路でさえも新鮮に映るかもしれません。そこがわたしには特別な場所でも、住民にとっては日常(そして迷惑?)なことでしょう。
🔣元安橋を渡って交差点の手前では、先週と同様、エホバの証人が勧誘をしていました。原爆ドーム周辺は、「宗教の勧誘」から「持論の語り」まで自由に活動できる場所です。
エホバといえば、以前同じバイト先で働いている人がいました。
彼が十年くらい布教活動していると言ったので、「これまで何人くらい勧誘できたの?」と訊いたところ、0だと言われ、えーーっと驚いた記憶があります。
そういえば、宮台さんを襲ったのはエホバの二世だったなと思いました。
繁華街に入る頃には、能のことはもう脳から離れていました。
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