今日を先延ばしする
臭いものに蓋をし続けて、やっと開け始めたところ。ものすごく、ひどい臭い。
ここが分岐になるような、些細なことのような。
核としてきた部分が揺らいでいて不安になる。ぐらぐらする。何が最善か分からないから泣きたくなる。
変わっていく途中だからつらい。きっと、そうだと思った。
雲ひとつない秋晴れがわたしを追い詰めた。
保っていた何かが消えてしまいそうで怖くなる。ずっとそばにいたものが薄れていく感覚。
着ている服は一緒でも少しずつ消えていく、あの頃のわたし。
考え方も口癖も、見ているものも変わっていく。
あの日の余韻に浸ったまま、日付だけが過ぎた。いつか忘れることが嫌だ。
どこから来たのか分からない飛行機を眺めて思いを馳せるけど、愁情に浸っている場合ではない。目の前のことを片付けなきゃ。早く前へ進まなきゃ。
そのやさしさに苦しくなった夜。見捨てられた方が楽だった。
幸せの中にある、漠然とした不安を胸に秘めたまま。気付いてほしくて笑う。気付かれないように泣く。
思い悩むことを季節のせいにしたかっただけ。秋、ごめん。本当は好き。
引っ張り出したセーターに去年の思い出がチラリ。
またふりだしに戻りそう。