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会社を辞めて学生に戻った理由
勤めていた学習塾で「もっとこういうふうにしたい」という思いが芽生えたけれど、自分の力が圧倒的に足りないことを痛感しました。
特に悩んだのが英語の教え方です。
英語のテストに長文問題は必須です。しかし、英語が苦手な子は読めません。すると長文1問ほとんど手が付けられないのです。
前回も書いた通り、英語だけを習いに来ているわけではないので、月に1回ほどでは長文対策までカバーできませんでした。
大学では経済を専攻したので、英語の文献を読んだり、数式やグラフを使って分析したりしていました。それで英語と数学の担当に決まったのです。英語は使ってきたけれども、英語自体を学んだり英語を教えることは学んできていません。
どう教えたらいいのだろうか。
勤めている間にもいろいろやってみました。
先輩に相談したり、自分の英語力を上げるためにTOEICの勉強をしたり、英会話学校にも通ったり。
けれども「これだ」と確信するものがなく、自分のTOEICのスコアも伸び悩むように。
ここで会社を辞めて大学で英語学を学ぼうと考え始めました。その間に教え方を勉強して英語力を向上させ、開業の準備をする。そしてそのあと自分の理想を詰め込んだ教室を開こう。
会社を辞めるのは勇気がいりました。
今と違って、就職が難しい時代にやっと入社できた会社。今と違って、転職がまだまだ一般的ではない時代。
辞める決心がついたのは、仕事の内容が変わってきたころです。教える仕事よりも運営の方の業務が増えてきたのです。
もちろん運営の仕事の大切さも分かっています。しかし自分で納得のいく教え方も確立できていないのに、現場を離れる時間は増えていきます。
そしてあれこれ考えすぎて、うじうじいつまでも決められない自分にも嫌気がさしてきました。
もうやりたいことが決まっているのだからやろうと覚悟を決めたのです。