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Amazon初のアパレル実店舗、Amazon Styleが提供するパーソナライズショッピング体験
オンラインショッピングの代名詞である、Amazon。同社はこれまで、Amazon Booksを皮切りにAmazon GoやAmazon Freshなど様々な形態の実店舗展開にも勤しんできました。今年に入ってAmazon初となるアパレルストア:Amazon Styleを、カリフォルニア州グレンデールにある野外型ショッピングモールThe Americana at Brandにオープンすると発表し話題になりました。今回は2022年5月末にオープンしたばかりで、オンラインショップと店舗を融合した新しい販売戦略としても注目を集めている、Amazon Styleを訪れた様子をお伝えします。
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Amazon Styleでの買い物方法
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店内に入るとすぐ目に付いたのが、こちらのQRコード。「買い物を始めるには、まずスキャンしてください」ということで、まずは携帯のカメラを使ってQRコードを読み取ってみました。
お察しかもしれませんが、Amazon Styleでのお買い物にはAmazon GoやAmazon Fresh、Whole Foods MarketといったAmazonが展開する実店舗と同様に、Amazonショッピングのアプリが必ず必要になります。既に持っているアプリを開くまたは新たにダウンロードすると、自動でAmazon Styleのタブが起動しました。
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QRコードをスキャン
展示されている商品には全てQRコードが割り当てられている。それをAmazon Style内にあるカメラを使って読み取り、サイズと色の指定をする。試着室に商品手配のリクエスト
試着をしたい場合は、試着室にて希望商品が15点まで手配できる。カウンターで商品を受け取り
試着をスキップする場合は、入口横のPickupカウンターで商品を受け取ることも可能。チェックアウトで支払い
アプリ内にあるIn-Store Codeを提示するだけで、Amazonアカウントへ既に登録されている決済方法によって、シームレスにチェックアウトが完了する。
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店員さんはとてもフレンドリーで、アプリを使った試着商品の手配やサイズ違いの商品受け取り方法について、質問があれば何でも丁寧に教えてくれます。そのお陰もあってか、店内システムを理解して慣れさえすれば、効率的でスムーズに買い物が行えると感じました。
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また、店内のマネキンにディスプレイされているスタイリングも、一つずつ商品をスキャンするのではなく「 SHOP THIS LOOK」と提示されている大きめのQRコードを読み取れば、コーディネートに使われている全商品の情報がアプリ内で見れるという仕組みです。
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Amazon Styleの特徴
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アプリ連動型のハイテクショッピング
店頭に並ぶ商品には全てQRコードが付いているため、サイズ・素材・ブランド情報といった商品詳細がとても簡単にアプリで閲覧できます。また、アプリを通じて試着や購入リクエストをすると指定場所に商品が手配されるため、店内で商品を持ち歩きながら買い物をする必要もありません。気になった商品があればとりあえずリストに保存して、後からAmazon.comで購入することもできます。
豊富なサイズ展開
Amazon StyleではXSからXXLまで、自分の体型に合ったサイズが見つかります。自分たちのありのままの姿を受け入れるというボディポジティブとサイズインクルーシビティを支持している、Amazonらしい配慮です。
バラエティに富んだ商品展示
店頭に並んでいる商品は展示サンプル1点のみで、全てがMサイズでした。サイズ違いの同一商品を平積みしていないので、商品棚や展示スペースに余裕が生まれ店頭には通常のショップよりも多くの商品が展示されているのです。
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アルゴリズムに基づいたレコメンド
スタイリングやアイテムに付随したQRコードをスキャンする度に、連動したアプリにデータが溜まります。機械学習したAIが自分好みのスタイルをおすすめしてくれるので、その提案に対する評価を繰り返せばレコメンド機能の精度も上がっていきます。
インタラクティブな試着室
Amazon Styleに来たからには、話題の試着室を試さずには帰れません。ということで、アプリから試着リクエストをしてみましたが、約7分程で希望アイテムが指定の試着室に準備されたという通知がきました。
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試着室にはタッチパネルが付いており、店員さんを呼んだり試着室を離れることなく色やサイズの変更や別アイテムの試着リクエストができます。私がリクエストをしたのは1着だけだったのですが、併せて前述で紹介したレコメンド機能を使った3点がクローゼットにかかっていて、さりげないアップセルを体験しました。
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またタッチパネルでも、スキャンしたアイテムや試着したアイテムに基づいて「このアイテムもいかが?」とオススメの商品がずらりと表示されています。その中から気になるアイテムがあれば、もちろん試着室から追加試着リクエストもできます。試着商品が届くまでの待ち時間には、ピックアップされたアイテムの好き嫌いをゲーム感覚で評価して、自身のスタイルをAIに学習させることも可能です。店内を練り歩かずに色々な商品がタッチパネルでブラウズできて、気になった商品はすぐ手に取って試すことができるという、デジタルネイティブであるZ世代やミレニアル世代のワガママな願望を叶えてくれるお店だと感じました。
OMO戦略は今後さらに加速か
Amazonは世界最大のオンラインマーケットプレイスで、今やその便利さからも我々の生活の一部と言っても過言ではありません。個人的にAmazonでは、急に必要になったものや日用品などの購入によく利用していて、Amazon=ファッションという発想はあまりありませんでした。しかし、PYMTNSの最新調査によると、アパレルはAmazonのBig3と呼ばれる主要カテゴリーのひとつであり、衣料品の米国オンライン市場シェアの14.6%を占めるため、今回のAmazon Styleという実店舗展開も納得ができます。
実際にAmazon Styleで売られていた商品は$20〜$40のお手頃な価格帯が多く、認知度の低いブランドでもAmazon.comで人気の商品は積極的に取り扱っているという印象を受けました。意外だったのが、店頭で気に入った商品をスキャンすると、Amazon上でのratingは高いけれど写真だけでは安っぽく見えるといった、残念なリスティングがたくさん見受けられたことです。低価格かつあまり知られていないB2Cブランドは余計に、オンライン上だけでは伝えきれない魅力を店頭で消費者に実際に手に取って感じてもらうことが大切なのかもしれません。また、日用品を始めとするサスティナブルなAmazonプライベートレーベルであるAmazon Awareといった、新しいブランドを発掘する良い機会にもなりました。
日本でも今年5月に、複合ショッピングモール内の別店舗からの商品をまとめて試着ができる、E SALONというアプリ・QRコードを活用した新サービスが始まっています。こんな風に世界中で「パーソナライズ」に特化したオンラインとオフラインの融合(OMO: Online Merges with Offline)が進んでいき、我々の生活がますます豊かになるサービスが今後も増えていくと良いですね。
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