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Insight

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主要コンテンツInsight(https://insight.eisnetwork.co)では、今世界で起きている最新のビジネス・テクノロジー・消費者トレンドを、欧米を拠点に事業…
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2021年12月の記事一覧

エストニア電子政府を支えるブロックチェーン技術

デジタル庁が2021年9月に発足し、日本でも本格的に政府・自治体のデジタル化が進もうとしています。先行している欧州では欧州連合(EU)・各国政府・自治体が率先してデジタル化を推進しており、中でも最先端であるエストニアは行政サービスがほぼデジタルで完結できるほどです。例えば、日本でマイナンバーに該当するDigitalID、サービス間の連携を支える分散型プラットフォームX-Road、国外居住者でもエストニアの行政サービスにアクセスできるe-Residencyなどです。これらのサー

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パタゴニアは何故ワインを作るのか?

SDGs、ESG、 地球温暖化対策や脱炭素社会、地産地消や循環型経済、  ダイバーシティとインクルージョン、生態系と生物多様性、バイオエコノミー... 近年、これでもかと嫌になるほどに、人間として企業として順守すべき価値が提唱されています。その勢いがあまりに強く、伝統的には「外部不経済」と呼ばれてきたこれらの要素が、税や規制の力に頼ることなく企業や商品・サービスの価値として定着しつつあるようにも見えます。すなわち、消費者が自主的な選択で、購買活動や投資活動において外部経済の

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世界的に導入が進むカーボンプライシングの課題と可能性

みなさんはカーボンプライシングという言葉を耳にしたことがありますか?カーボンプライシングとは二酸化炭素の排出に応じてチャージされる金額のことで、国によって炭素税という税金で徴収されるケースもあれば、排出量取引という形で企業間で排出権を売買するケースもあります。炭素税は、90年代に北欧のフィンランド(90年)、スウェーデン(91年)でまず導入され、その後、ヨーロッパを中心に徐々に広まっていきました。この税金は、CO2排出量に応じてすべての製品やサービスに課され、二酸化炭素排出量

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ドリームテック~夢の可能性に挑むイノベーション

私たちは人生の1/4から1/3を睡眠しているにも関わらず、世の中の技術のほとんどは起きている時間のために作られています。多くの人々にとって夢は、無意識のうちに見たり見なかったりするもので、自分の意思でコントロールしたり何かの役に立てたりできるものではありません。 しかしながら、近年、夢をマーケティングに使おうという試みが出てきています。アメリカの大手ビール会社Molson Coorsは、今年のアメフト「スーパーボール」に合わせて「世界最大の夢の研究」というキャンペーンを実施

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世界各地で加速するインフレ、真逆を行く日本 〜グローバル視点に立った良識経営が問われる現在

世界各地でインフレが進行し、物価上昇率は中央銀行の想定値を超える現象がおきています。2021年10月のCore CPI(食品と燃料を除いた消費者物価指数)を前年同月比で比較すると、北米では4.6%(CPIにおいては6.2%)上昇し、過去30年間での最高水準となり、イギリスでは3.4%、ドイツでは2.9%上昇しました。しかし、日本におけるCore CPIは0.3%下落しています。 視点をCore PPI(食品と燃料を除いた生産者物価指数)に向けると、2021年10月の前年同月

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VisaとMastercardが金融サービスにおける気候変動イノベーションをリード

世界最大の決済ネットワークであるVisaとMastercardの両社は、カーボンニュートラルをはじめとする気候変動に配慮した新商品とその取り組みを発表しました。多くの大手ブランドが気候変動対策に積極的な姿勢を見せていることもあり、ぱっと見ではこのニュースにさほど驚かないかもしれません。しかし、よくよく考えてみると、世界2大金融機関が環境に配慮した姿勢を全面的に打ち出したのには、もっと興味深い理由があるのです。 ‍消費者に一体どんなメリットがあるのか?VisaとMasterc

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