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今日は何日和?
雨の日が続き、やっと今日は晴れ。
洗濯日和。というのかな。
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日本語では、「日和」という言葉はなんとなく好き。
新明解を引くと4つの意味。
① その日の空模様。
② 何かをするのに好都合な天候のぐあい。
③ 晴天。
④ 足駄の台に低い歯を差した下駄。
その中に、②と③の意味では、なんとなく、暖かさと爽やかさを感じる。
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これから自分の専門領域の話をしてみたいと思う。
「日和」という言葉を中国語に翻訳する時、②の意味では、「好天気(中国語表記:好天气)」。
昔読んでいた、青山七恵著『ひとり日和』。中国語翻訳版タイトルは『一个人的好天气』(一人の好天気)。
表紙も日本語版と異なり、空色で日本の町風景が描かれたイラスト。うらうらとした感じで、本だなにあるたくさんの中に目を惹かれた。
思わず本を買って読んだ。
起伏がなく心地よく読めて、孤独や虚しさが丁寧に描かれている。
しかし最後まで読んで、もやもや感がなく、暖かい風に吹かれた気がした。
中国語での「好天気」は、日本語の「日和」は、微妙にニュアンスの差があるかもしれないが、本を読んだ後の気持ちはおそらく共通するところがあるだろう。
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「翻訳」「通訳」という行為、簡単に言えばA言語からB言語への転換だが、実際はそう簡単なことではない。
本を例としてすると、前述のように、B言語のターゲット読者に好まれそうな表紙デザインや帯の内容作成なども、実は広義的に、翻訳活動に含まれている。
『ひとり日和』の中国語版には2種の表紙があり、先ほど述べたのはハードカバー、ソフトカバーには薄いみどり色で、猫のイラストだった。
どちらにしても、表紙からも、「日和」という雰囲気を表して伝えたいのだろう。
翻訳の過程は、文字の転換だけではなく、(映画なら)視聴覚要素も含めて、A言語とB言語をそれぞれ使われている社会における文化/価値観/政策や、また、翻訳の目標などさまざまなことに影響を受けて、産出する過程だ。
なぜなら、文化は言語に根差しているからである。
そして、原文と訳文(産出物)を比較することで、その差異を見つけ出すことができる。
わたしはこういった差異を見つけることに、たいへん興味を持っている。
差異が存在するこそ、楽しみが生じるのではないか。
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これからは、見つけた差異をここで記録したいと思う。
(時間がある時に。笑)
以上、翻訳の作業の途中に突然noteを書き始めたEileenでした。