貧乏な研究者は掲載料を払えない
論文話の続きです。
論文ってアクセプトされた後、著作権やら何やら、いろいろ手続きがありますよね。
今回投稿したのは冊子体を発行する(つまりは古典的な、読者が論文を買うタイプの)学術誌なので、投稿料は基本的に無料(規定ページ数をオーバーすると有料になる)。
冊子体と並行してネットで公開される論文も、読者が買わないといけないわけ。
そうなるといい論文であってもなかなか世間の人たちに見てもらえなくなるので、イマドキは著者側が掲載料を払って公開する「オープンアクセス」という方式もあります。誰でも読めるようになるので、格段に注目度も上がります。
ただ、この掲載料って結構お金がかかるんですよ。円安の影響もあるのでなおさら。
去年、共同研究先の先生が出された論文は、ハナから掲載料ありきのオープンジャーナルで、なんと50万でした。私が大学からもらっている個人研究費を逆さに振ってもなんともならん(笑うしかない)。
聞いた話ですが、去年知り合いがn〇ture系のジャーナルにアクセプトされたのですが、おめでたい反面、掲載料はなんと120万だったそうです。120万…っ!!
先日アクセプトになった私の論文も、手続きのサイトの中にちょいちょい「オープンアクセスにすればもっと世間の認知度が上がりますよ」的な文言が出てくるのですよ。
「なんと今ならディスカウント中!!」という煽情的な見出しまであるので、ふーん、いくらなのかな、と試しにつついたら「今ならたったの1760ドル!」という画面が出てきました。
えーと、今日のレートで154円だから…。
27万円っ!
いやー、まあ、確かに他から見れば破格なんでしょうけれどもねえ。
むーーーーーーーーりーーーーーーーーーーーー。
と叫んで「喜んでオープンアクセスにする」という大きなボタンを無視して、「オープンアクセスにしない」というすこぶる小さいボタンをクリック。
「マジか? こんなチャンス二度とないよ?」的な画面が出てきたので、再度「オープンアクセスにしない」というすこぶる小さいボタンを探してクリック。
そのあとも「今ならまだ間に合いますよ」的なメールも来ましたけどね、世間の研究者は、本当にそんなにお金持ってるのかなあ…?